現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年11月24日【TBSテレビ】
【SDGsプロジェクト】北欧デンマークの迷惑じゃない世界一楽しいごみ処理場とは?

私たちの暮らしに必要な「ごみ処理場」でスキーができる。持続可能な社会の実現度で世界トップクラスの国、デンマークには『世界一楽しい』といわれている最新のごみ処理場があります。

「こちらですね、かなり大きな建物、迫力がありますけども、傾斜が付いたデザイン、これが特徴なんです」(記者)

北欧・デンマーク。首都コペンハーゲンに人の暮らしとの関係を極限まで追求したと話題の「ごみ処理場」があります。なぜ、こんな一風変わったデザインをしているのかというと…建物の屋上がスキー場になっているのです。

屋上に拡がるのは「CopenHill=コペンヒル」と名付けられた全長370メートルのゲレンデ。高さ85メートルの頂上地点から屋根を滑り降りる形でグラススキーを楽しむことができるのです。

「十数年ぶりのスキー、私もチャレンジします」(記者)

去年10月にオープンして以来、この施設にはすでに30万人以上が訪れています。

「パワープラントの屋根を使うことは、新しい日常です」(コペンヒル クリスチャン・インゲルスCEO)

ゲレンデがある屋根の下には近郊に住む60万人分の家庭ごみが運び込まれる「ごみ処理場」があります。燃焼した熱エネルギーは周辺7万2千世帯分の暖房や3万世帯分の電力として活用されています。また、排出される窒素酸化物は99%カットと世界最高水準で、屋上でスキーをしても全く問題が無いのだといいます。

「スキー場に排出されている空気は、駐車場にいるよりずっとクリーンです」(ごみ処理場広報担当 スーン・シャイビーさん)

世界初のスキー場があるゴミ処理場は奇抜なデザインゆえに建設コストは日本円でおよそ660億円かかり回収するには30年はかかります。しかし、ごみ処理場こそ人が住む都市のそばにあるべきだといいます。

「私たちは市民を巻き込みたかったし、ごみは捨てて終わりじゃないことを示したかった」(ごみ処理場広報担当 スーン・シャイビーさん)

実際、ごみ処理場のすぐ近くにはおしゃれな集合住宅が立ち並び、ヨットハーバーもあるロケーションで、まさに市民に身近な『ごみ処理場』として共存しているのです。

「みんなここが大好きだし、楽しいし、週末はたくさんの人が来ています」(スキー客)

「施設をポジティブなものに使うと、見方も変わってきますね」(スキー客)

来年夏にはビルの壁面を活用したものとしては世界最高となる80メートルのクライミングウォールをオープンさせる予定です。

「人が住む場所でごみが出されます。人のいないところにごみはありません。やる気さえあれば、日本でもきっとできますよ」(ごみ処理場広報担当 スーン・シャイビーさん)

ごみを処理しながら、「人気施設」を作るという逆転の発想の街づくり。コペンハーゲンは2025年までにCO2の排出と吸収のプラスマイナスゼロ実現を目指すなど、さらなる進化を遂げようとしています。