現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年9月22日【TBSテレビ】
中国 食料危機解決へ、驚きの“人工肉”

世界の人口増加により将来起こるとされる食料危機の解決にむけ、植物から作る「人工肉」の開発が各国で進められています。その「人工肉」、中国では独自の“進化”を遂げています。

中国の国民食ともいえるザリガニ。夏場は飲食店の軒先で大量のザリガニを目にします。中国では今、ザリガニがブームで、この10年で生産量は4倍に、市場規模は6兆円以上になっています。

この日、私たちはあるモノを調理してもらうためにやってきました。

「これは人工肉です」(記者)

大豆などの植物原料で人工的に作ったザリガニの人工肉です。年内にも火鍋店などで販売されるという世界初のザリガニ人工肉。本物のザリガニは殻をむくと身の部分はわずかですが、人工肉は5倍ほど大きいのが特徴です。試食してみると…

「味はさっぱりしていて弾力がすごくありますね。弾力がありすぎて、ザリガニというよりは、かまぼこに近い感じです」(記者)

「味付けは良いし、弾力がある」(ザリガニ料理店のコック)

殻をむく手間もかからず中国人好みだといいます。

健康志向の高まりから中国では人工肉が広まり始めています。今月4日、野菜や肉を辛いスープで煮込むマーラータンの店で、人工肉で作った肉団子が発売されました。原料は主に大豆で、肉は一切使われていないことからカロリーを気にする女性から好評です。

「おいしいです。人工肉の方が歯ごたえがあります」(客)

「好き嫌いが多く、普段はあまり肉を食べません。これは植物肉だと聞いて、すごく気に入りました」(客)

人工肉は餃子や月餅にも…。欧米で主にハンバーグなどに使われるのに対し、中国では様々な日常食に取り入れられているのです。

ザリガニ人工肉を開発したのは北京に本社を置く「珍肉(ジェンミート)」です。

「この機械で、植物たんぱく質を肉のような食感がでるように変えます。これは人工肉の最も核心的な技術です」(珍肉 呂中茗CEO)

2050年には世界の人口は90億人に増え、食肉の消費量は爆発的に増加すると予測されています。このため肉の代わりになる人工肉に注目が集まっているのですが、中華料理に的を絞っている理由を聞くと…

「もしハンバーガーでアメリカと比べたら、我々よりアメリカの会社が進んでいる。しかし、アジア特有の製品をつくるなら、欧米ブランドをリードできる」(珍肉 呂中茗CEO)

人工肉が中国の人々に受け入れられるかどうかが食料危機を乗り越える鍵になりそうです。