現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年9月21日【中国放送】
【SDGs×コロナ後の世界】衰退の畳業界ネット販売に活路

新型コロナウイルスの影響で日本の伝統産業も衰退が危惧されていますが、広島県のある畳業者はインターネットでの販売に活路を見出しています。

広島県北広島町で畳を生産・販売する広浜です。大正時代に創業し、今年で105年目。熟練の職人たちが昔ながらの工程で畳を作っています。

「ちゃんと縫ってあって、通気性があるんですね。のりで張ると通気性がなくなるので」(広浜 上川力社長)

い草の管理を徹底していて、湿度50%以下に保たれた専用の部屋で保管しています。

広浜では最盛期の1990年代、畳の生産枚数が年間4万枚以上に達しましたが、住宅の和室が減るなど需要の低下に伴って、減少の一途をたどりました。そして今年、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけたのです。

Q.新型コロナウイルスの影響というのはどうなってますか?

「緊急事態宣言が出てから(注文の)電話がピタッと止まりました。このまま仕事が来ないのではないかと心配しました」(広浜 上川力社長)

畳の対面販売や張り替え、新築の家での畳の設置といった従来の仕事は減少。そんな中で活路を見出したのがインターネット販売でした。広浜は3つの大手通販サイトを利用していますが、このうちアマゾンには、商品の保管から注文・配送・返品までを代行するサービスがありました。広浜は、品質管理が必要な「い草畳」以外の商品をこの代行サービスを使って販売。人手不足のため販路を拡大しようにも限界があったという上川社長は、こう強調します。

「地元だけでは仕事量が減っていたので、全国で売る準備をしていたことが、コロナの影響で少し上向いた。発送・出荷というボトルネックをアマゾンが解消してくれた」(広浜 上川力社長)

アマゾンを使った広浜の売上は、ひと月も前年割れせず、6月は前年比の300%を超えました。7月、8月も同様の実績が続いています。

アマゾンジャパンのチャン社長は、広浜の業績アップに触れ、こう強調します。

「モノづくりの中でもちろんイノベーションが必要ですし、モノを作ってどう広げていくかという思考も大事だと思う」(アマゾンジャパン ジャスパー・チャン社長)

広浜は、巣ごもり需要を狙って新たな取り組みも始めました。通販サイトやSNSで「畳のある暮らし」を提案し、毎月1件のペースで新商品を企画しています。今年は100年余りの歴史の中で過去最高となる年間7万枚近い畳の生産を見込む広浜。収束が見えないコロナ禍から伝統産業を守る挑戦は続きます。

「ECサイトもスピードが速いので、半年後、1年後は分かりませんが、自由に変わり、提案できる会社になりたい」(広浜 上川力社長)