現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年9月11日【TBSテレビ】
【現場から、コロナ後の世界】中国の野生動物取引、全面禁止で農家は?

新型コロナウイルスを媒介した可能性が指摘された“野生動物”をめぐり、取引が全面禁止となった中国。その影響について現場を取材しました。

小さな檻に入れられた動物。体にトゲがあるヤマアラシです。中国では食用としてニーズがあり、販売されていました。先月、私たちは中国貴州省のヤマアラシ飼育農家を訪ねました。しかし、飼育小屋に入れさせてもらうと、中は空っぽでした。

農家によると、6月までは100匹近くのヤマアラシを飼っていたということです。

「高く売れるからね、収入がいい」(農家の男性)

「(Q.味は?)まあまあ、鶏肉に似た味。体にいい」(男性の孫)

この農家では貧しさから脱するため、10年前から一匹1万5000円以上で売れるヤマアラシを飼い始め、生計をたてていたということです。しかし、今年1月、新型コロナウイルスの感染拡大により生活は一変。中国の専門家から「野生動物がウイルスを媒介した可能性がある」との指摘が相次ぎ、日本の国会にあたる中国「全人代」は5月、野生動物の取引禁止を決めました。ヤマアラシなど特定の動物については飼育さえできなくなり、地元政府にすべて回収され、農家の収入はなくなってしまったということです。

「貧困を脱することができないままでいます」(農家の男性)

今は豚を育てて生計を立てようとしているということです。地元政府は、回収したヤマアラシ100匹分を100万円以上で補償するとしましたが、いまだに支払われていないといいます。

また、南部の広東省ではこんな問題も。
「このコブラは純野生」

一部の人たちが野生動物の密売を続けていると地元メディアは報じています。
「タケネズミ、ヘビは予約したら買える」(密売業者)

最初にウイルスの感染が確認された武漢でも、いまだに野生の蛙を密売している人たちがいると報道され、話題となりました。

中国メディアによりますと、およそ1600億円相当の動物が販売できなくなり、25万人もの仕事に影響が出たということです。密売を横行させないためにも、中国ではいま、生活の糧を失った人たちへの速やかな補償が喫緊の課題となっています。