現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年8月27日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】分身が出勤 急成長“バーチャルオフィス”

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増え、アメリカでは、『アバター』、つまり自分の『分身』が代わりに出勤する『バーチャルオフィス』の需要が急増しています。

「ロサンゼルスでも在宅勤務をする人が非常に増えていますが、このような現実のオフィスではなく、この中のバーチャルオフィスに皆が集まるサービスに注目が集まっています」(記者)

こちらの画面、ゲームの画面のようにも見えるんですが、仮想空間のオフィス、バーチャルオフィスの映像です。そして、これが『アバター』とよばれる自分の分身です。私も自分のアバターを作ってみました。このアバターが、自分の代わりにバーチャルオフィスに出勤します。

「こんにちは、松本さん」(VirBELA幹部 クレーグ・カプランさん)

「こんにちは。ようやく会えましたね」(記者)

このサービスを開発したのはカリフォルニアのIT企業「VirBELA」で、幹部のクレーグさんが自社のバーチャルオフィスを案内してくれました。

「あの部屋にいるのは、プロダクトマネージャーのジュードと開発責任者のエリックです。今まさに会話していますね。でも私たちには聞こえません。それぞれの部屋がプライベート空間に設定されていますからね」(VirBELA幹部 クレーグ・カプランさん)

オフィス内にいるアバターたちは皆、実在する従業員で、会議やプレゼンも全てここで行います。現実世界で皆が集まるオフィスはなく、ここが『日常』です。

Q.お互い実際に会ったことがない従業員はたくさんいる?

「新型コロナの影響で私たちの会社は急成長していますが、会ったことのない従業員はたくさんいますよ」(VirBELA幹部 クレーグ・カプランさん)

オフィス以外としても大学のオリエンテーションや株主総会、国際会議など、既に様々な用途で使われていて、会場費や出張費などのコストカットもできる他、最大のウリは在宅勤務でも孤独感が和らぎ、チームの一体感を高められることだといいます。

「(新型コロナの影響で)普段の生活からなくなってしまった、社会的に互いにやり取りができる世界を作り出したことに価値があるのです」(VirBELA幹部 クレーグ・カプランさん)

費用はバーチャルオフィスの規模によって異なりますが、アバター1体あたり、月額およそ10ドル前後です。新型コロナの感染拡大による在宅勤務の広がりで業績は急速に伸びていて、サービスへの問い合わせは月に6000件から7000件。4月から6月の3か月間の売り上げは、その前の3か月間と比べて2.6倍に急増しました。

在宅勤務の可能性が広がっていく一方で、在宅勤務ができない介護従事者やスーパーの従業員など、生活に欠かせない仕事につくエッセンシャルワーカーは常に感染のリスクにさらされています。6月にはロサンゼルスの食品工場で40人以上が感染し、2人が死亡するなど、エッセンシャルワーカーが働く職場でクラスターが相次いでいます。

「エッセンシャルワーカーは、毎日リスクを負い働きに行かなければなりません。企業にはできる対策全てをしてほしかった」(父親を新型コロナで亡くした アリーシャさん)

完全に在宅勤務に切り替えられる仕事は全体の37%で、残り63%の仕事は在宅勤務だけでは成り立たないという調査もあり、感染リスクや精神的負担の面で両者の間に生まれる格差を社会全体でどう解消していけるかが今後の大きな課題です。