現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年8月20日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】抜け出せないコロナ貧困の実態

終わりの見えない新型コロナの感染拡大で、これまでにのべ4万7000人が解雇や雇い止めにあっています。新型コロナがもたらす貧困の実態を取材しました。

東京・八王子市の繁華街。先週、反貧困ネットワークの事務局長、瀬戸大作さんは、ある“SOS”を受けてやってきました。

「若いな」(瀬戸さん)

待っていたのは“路上生活”をしているという27歳の男性。瀬戸さんは、こうした生活困窮者の支援を長年、続けています。

「食べてないでしょ?」(瀬戸さん)

「そうですね」(男性)

「食べて食べて」(瀬戸さん)

男性は「派遣社員」として工場や警備会社で働いていましたが今年4月、「派遣切り」にあいました。勤務先の寮も出ることになり、ついには路上生活に…

「(仕事)辞めちゃった?」(瀬戸さん)

「そうですね。そのままバッグのみでほぼ出てきた」(男性)

いまの所持金は300円だけだといいます。すると瀬戸さん、電話をかけ始めました。

「いつもお世話になってます。反貧困ネットワークの瀬戸です」(瀬戸さん)

着いた先はホテル。生活保護などの公的支援を受けるため、まずは生活の場を確保するのです。

「今回のコロナでみんな仕事が切られてネットカフェからも出されて寮からも出された。野宿している人で住民票がない。そういう人たちが給付金も受けられないで、8月いっぱいで給付金の受け付けも終了する」(反貧困ネットワーク 瀬戸大作事務局長)

厚労省によりますと、新型コロナを理由とする解雇や雇い止めにあった人は5月に入って急激に増え、その数はのべ4万7000人に達しています。

さらに追いつめられる人達も…

彼らは技能実習生や留学生として来日したベトナム人。新型コロナなどの影響で、働くことも帰国することも出来なくなりました。

この女性は、ベトナムに幼い子どもを残しています。

「お母さんと話をしよう。いっぱい歯が抜けたんだね」(女性)

瀬戸さんたちは緊急の支援が必要と考え、現金を渡しましたが…

「それはつらいよ。これで解決にならないことが分かっているからつらい。とりあえずつないでるだけで、解決になってないじゃないですか」(反貧困ネットワーク 瀬戸大作事務局長)

収束の見えない新型コロナの感染拡大、貧困から抜け出すのは容易ではありません。

この男性は、4月に瀬戸さんの団体から支援を受けました。現在は、板橋区から生活保護を受け、そのお金でアパートを借りています。ただ冷蔵庫を見せてもらうと…

「何も入ってないです。基本1日1食しか食べないんで、夜しか食べないです」(男性)

支援を受けてから4か月あまり。その間、仕事を探し続けていますが、アルバイトすら見つからないのが現状だと言います。

男性が寝泊りしていた公園です。

「つらかったですね。寒い日もあったし、風強い日もあったし、あんまり思い出したくはないですよね」(男性)

また路上生活に戻ってしまうのではないか、そんな不安が頭をよぎります。

「普通の生活がしたいです。普通に仕事して、普通にお給料もらって、普通の生活がしたいです」(男性)