現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年8月16日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】コロナ禍のこども食堂、見えない事情も

新型コロナウイルスの感染拡大は、子どもたちにも影響を与えています。いつもと違う夏休みを迎えた「こども食堂」の今を取材しました。赤荻歩キャスターの報告です。

マンションの部屋に子どもたちが次々と入っていきます。お話しをしたり、ゲームをしたり、思い思いの時間を過ごします。ここは東京・板橋区高島平の「まいにち子ども食堂」です。

子ども食堂をボランティアで運営する六郷伸司さん。小さな子どもから大学生にまで、毎日、食事やお菓子などを無料で提供しています。

「(Q.何人くらい居ますか?)今で7、8人かな」(六郷伸司さん)
「(Q.何しているの?)パン食べてる」(子ども)

みんな育ち盛り、食べ盛りです。この男の子はおにぎりを1つ手に取り、ぱくり。料理のお手伝いをしながらピーマンをぱくり。この日の昼食のメインは、イワシのにんにく焼きです。イワシは銚子の漁師さんから、野菜は地元の農家から寄付されたもの。

夏休みで給食がない今の時期、6畳2間はすぐいっぱいに。こまめに換気や消毒を行っていますが、それでも不安は消えません。

「密は避けられない状態なのですが、なるべく離れてはもらっているけど、子どものことなのでなかなか厳しいのかなと」(六郷伸司さん)

「コロナ消えてほしい。そうしたら、みんな仲良く外に出ていっぱい遊べるもん」(子ども)
「花火バーってやるじゃん」(子ども)
「今年は花火が中止になっちゃったし、かき氷とかいっぱい食べたかったのに」(子ども)

新型コロナの流行で、六郷さんはいったんは休業を考えたといいます。それでも続ける理由、そこには子どものこんな言葉がありました。

「『ここ閉まっちゃったら、私たちご飯食べる場所がないから困っちゃう』。その一言でやろうと、なんとかしてやろうと」(六郷伸司さん)

「(Q.家と違うところは?)ボランティアの人がご飯を作ってくれるし、ご飯はみんなで食べてすごくおいしいし、ここにはおうちにないものがいっぱいある」(子ども)

旅行にも行けず、学校のプールもない。いつもと違う夏休み。見えない事情を抱えた子どももいると六郷さんは言います。

「コロナで親が仕事を失って、一人親で3、4日家に貯めておいたレトルト食品しか食べなかったという人が、わざわざ電車に乗って晩ご飯を取りに来ました。分からないです、今は。着る服がボロボロなものだと貧しいのではと思いますが、今は安い服もありますし」(六郷伸司さん)

さっきまで楽しそうに遊んでいた女の子。突然、部屋を出ていってしまいました。揚げ物を見ていて、お母さんのことを思い出したんだそうです。子どもたちにご飯の心配はさせたくない。何人来ても大丈夫なように、六郷さんは毎日、食事を用意して待っています。

「コロナで死ななくても、もしかしてここがないことによって困難さが増して、もしかしてというのも一瞬、頭によぎる。ぎりぎりまで続けたい、続けないといけないんじゃないかなと思います」(六郷伸司さん)