中国では新型コロナの国外からの流入を防ぐため、外国人の入国を厳しく制限し続けています。中国の“厳しい”水際対策とはどんなものなのか。JNNの記者が体験した2週間の隔離措置の様子です。
大連の空港に到着して間もなく、辺りは物々しい雰囲気に包まれました。
「けっこう時間がかかっています」(記者)
先月、私は北京に赴任するため、妻と3人のこどもとともに中国に渡りました。現在、北京への直行便はありません。経由地に選んだ大連の空港では、PCR検査や個人情報の登録など、外に出るまで6か所もチェックポイントがありました。
その後、当局が指定するホテルへの移動となりました。場合によってはクーラーを使えない施設もあるといいます。隔離先は選べず、当日になって初めて確定しました。
そして、隔離生活最初の食事の時間。接触を避けるため、部屋の外に置かれた弁当箱を開けると、中身はボリューム満点な中華料理でした。
「カレーみたいな味がする」
こうして始まった隔離生活。
「ここにあるペットボトルの水は、ホテルの人があらかじめ置いておいてくれたものです。ごみはこうやって部屋の外に置いておくきまりになっています。ランドリーサービスが使えないので、部屋に洗濯物を干しています」(記者)
最も苦労したのは時間の費やし方でした。日本から持参した勉強道具で自習をしたり、体を動かしたりして過ごしていましたが…
「暇です」
結局、テレビや動画を見る時間がどんどん長くなっていきました。
6日目、血液を採取しての抗体検査が行われました。
「痛~い」
また、食事は変わり映えしなくなり、子どもには辛すぎるものも多く、日本から持参したインスタント食品はとても重宝しました。
解除まであと2日、今度は2回目のPCR検査。そして…
「今から下に降ります」
こうして部屋から一切、外に出ることができない14日間が終わりました。
水際対策の厳しさに大きな差がある日本と中国。現在、ビジネス目的での往来の早期再開を調整していますが、日本国内の感染状況によっては、今後、交渉が難航する可能性もあります。