現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年8月2日【静岡放送】
【SDGs×コロナ後の世界】超高齢化の町で独自の電子通貨

新しい生活様式のひとつ「キャッシュレス決済」。2人に1人が高齢者という伊豆半島の小さな町で、町独自の電子通貨が活躍しています。

夕日の町、西伊豆町。観光業や漁業が盛んです。

「大変断腸の思いではありますが、西伊豆町への来町をご遠慮いただきたい」(西伊豆町・星野淨晋 町長〔今年4月8日〕)

西伊豆町は、全国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、いち早く町内への訪問自粛と事業者への休業を要請しました。しかし、経済への打撃は深刻でした。

「冷え込んだ経済を何とかしたい」。そこで、町が導入したのが独自の電子通貨です。QRコードがついたカード、またはスマートフォンのアプリで決済するもので、およそ7600人の町民全員に1万円分を配りました。スーパーやガソリンスタンド、飲食店、旅館など100店舗以上で使えます。

「(Q.今までは現金払い?)そうですね。便利。抵抗感はない」(電子通貨を利用した客)

「初めて使った。コロナもあるので、お金をさわらないのは良い」(電子通貨を利用した客)

西伊豆町の高齢化率は、静岡県内で最も高い49.9%です。現金を扱わずに済み、感染を防ぐ意識がこれまで電子決済とは縁がなかった人のハードルを下げました。

「高齢化率が高い西伊豆町でQR決済をするのは面白い取り組み」(「はんばた市場」京極祥平店長)

西伊豆町は、静岡県内と山梨県からの客に宿泊料金の最大20%分を電子通貨で還元するキャンペーンも始めました。

「電子通貨で買い物していただく。これが魅力となって客が増えれば」(「海辺のかくれ湯 清流」塩澤一志専務)

町独自の電子通貨を配ることで町内に滞在する時間が増え、消費の拡大が狙えるのです。

「当分の間、コロナウイルスと共存していかなければならない。電子カードでの買い物は衛生的で、人との接触をしない点で有効」(西伊豆町まちづくり課・山本友也商工係長)

新型コロナウイルスは、高齢化が進む町の生活や経済のあり方も変えようとしています。