現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年7月28日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】都市封鎖から半年 “震源地”武漢の遺族は…

新型コロナウイルスの発生源とされる中国・武漢の都市封鎖から半年。移動制限の緩和で、活気を取り戻しつつある一方、発生時の政府の対応に疑問の声を上げる遺族がいます。

「PCR検査結果は陰性、2020年5月21日」

「武漢は今、最も安全な場所なはずです」(武漢市民)

「最も安全な場所」。しかし、半年ほど前、この場所は、新型コロナウイルスが猛威を振るっていました。発生当初は、海鮮市場から感染が広がったとされていました。

しかし、アメリカが初動対応を非難すると、中国外務省の報道官は去年10月の「軍人オリンピック」で「アメリカ軍がウイルスを持ち込んだかもしれない」と主張し始めました。

「軍人オリンピック後に発生しました。武漢市民は迷惑してます。全て米国のせいです」(武漢市民)

「米国人がウイルスを武漢に持ち込んだと、聞いています」(武漢市民)

「ウイルスはアメリカによるもの」と証言する人が目立ち、中国政府の宣伝や情報統制に一定の効果が表れているようにも見えます。その一方で、政府の発表に対し、こう証言する遺族も…。

「正直に言えば、公式発表の数字を私たちは信じていません」(母親を亡くした男性)

今年2月に母(65)を亡くした武漢市の男性。政府が発表している武漢の死者3869人よりもはるかに多くの死者が出ていると指摘します。理由は、当初の医療崩壊による混乱です。

「多くの人が(入院できず)家で亡くなったのです。(病院の)通路で多くの人が亡くなりました」(母親を亡くした男性)

男性が撮影した病院の映像。待合室に並べられたベッドに多くの患者が横たわっています。男性は、母を入院させるため連日病院を何か所もまわり、ようやく入院先がみつかりますが、病室に行くと、使うはずのベッドの上には遺体が置かれていました。

男性の母は、胸部CT検査でコロナウイルス患者の特徴がみられましたが、PCR検査の結果は「陰性」。再び検査を受けることなく亡くなりました。

「ウイルスが少しずつ自分の家族をむしばんでいくのを見るしかなかった。何もできなかった。(中国政府は)死者の家族に対して武漢に対して、中国の国民に対して何の説明もしません」(母親を亡くした男性)

アメリカや国際社会に対し、強硬姿勢を貫く中国。その一方で、足元の国内では政府の対応に今も苦しむ遺族がいます。