静岡・浜松からの報告です。逆境の中で善意の試みを始めたあるネイルサロン。女性ならではの“気づき”から生まれたおしゃれのプレゼントです。
浜松市のネイルサロン「LUXXE(ラグゼ)」です。
「3密を控えるために、新規のお客様は全てご案内をお断りさせていただいて、リピーターさんのみのご来店をお願いしました」(「ビューティースマイル」高橋繁世オーナー)
店では1日の客の人数を減らし、従業員の半分は自宅待機にしました。ネイリストはお客の手足に触れ、爪を彩る仕事です。在宅ワークというわけにはいきません。
その中で、従業員の収入を守ろうと考えていた時、目に入ったのが、デザインの見本になる展示用のネイルチップでした。
「(ネイルチップは)流行が終わると捨ててしまうものなので、そのまま捨ててしまうのは、もったいないなと」(「ビューティースマイル」高橋繁世オーナー)
再利用して売ることも考えていた高橋さんは、ネイルチップを自宅待機中のネイリストにリメイクしてもらい、がんで闘病中の女性に贈ることにしました。
ネイルチップのリメイクに熱心に取り組んでいるのは、鈴木保乃華さん(23)です。心がけるのは、おしゃれで使いやすいデザイン。
「がん患者さんが使って下さるので、あまりクリアすぎちゃうと、(爪の色が)透けてしまう。透け感はそこまで出さないように作っています」(ネイリスト 鈴木保乃華さん)
配色も考えて、10枚そろえてワンセットです。およそ100セット作り、福岡のがん患者の支援団体に贈りました。
「無償で必要とされているがん患者の手元にいくというのは、本当に、みんなが幸せになるハッピーサイクルを作れていると実感してます」(ガン患者支援団体「NPO法人 スマイルハート」橋口絵里奈代表)
実際に使う女性の感想は?
「華やかになった指先を見て、自然と笑顔になれて、モチベーションも上がった。一つ一つ、手作業でされていると聞いて、気持ちが伝わってきて、すごく励みになった」(つけ爪をプレゼントされた女性)
「ネイリストでもネイルを通じて、がん患者さんのために助けになることができるんだな、ということに気付けた。自分も明るくなれる」(ネイリスト 鈴木保乃華さん)
客とのふれあいが減った時だからこそ、ネイルが幸せにできる人はまだたくさんいると、その可能性に気づくことができました。