現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年6月29日【毎日放送】
【SDGs×コロナ後の世界】小児科が模索するニューノーマルとは…

新型コロナウイルスの感染拡大で、地域の小児科が存続に向け、大きな転換を迫られています。患者が大幅に減少する現場は、危機感を募らせています。

堺市でおよそ40年続く小児科「耳原鳳クリニック」。中に入ると、左右に2つのドアがあります。

「熱があったり、咳があったりする患者はコロナウイルスが疑われるので、こちらで隔離して診察している」(中川元 医師)

診察では手作りの防護服を着用。受け取ったお金や保険証などは袋に入れて、直接、手で触れないようにしています。しかし…

「普段だったら、後ろにも全部椅子が並んで満室になる。パイプ椅子を並べてひしめき合う状況だった。いまはこのような形で、患者さんがすごく少ない」(中川元 医師)

3月上旬には、一日50人ほどの患者が来院していましたが…

「先週(3日)ですけど、9人ですね。患者数でいうと、5分の1か6分の1くらい。保険診療しか収入源がないので、患者さんの人数によってそのまま収益が決まる。収益は本当に苦しい状況」(中川元 医師)

日本医師会の調査では、小児科の4月の収入は平均で前年よりおよそ4割減少していました。その理由とは…

「病院に行ったらコロナをもらうイメージがどうしても抜けなかったので、急ぎじゃなかったら今行く必要はないかなと思って行かなかった」(女性)

「(子どもが)慢性的にじんましんが出ていて、薬をもらっているけど、怖かったので、緊急事態宣言が出る前に多めに薬をもらって、(病院に)行かなくてもいいように」(女性)

大阪小児科医会の副会長・藤岡雅司医師は、病院経営だけの問題にとどまらないと考えています。

「たくさんの人が受診控えすると、本来、治療が必要なお子さんも治療が遅れる可能性は十分ある。聞いたところでも、この間に川崎病や白血病の診断がすこし遅れたんじゃないかというケースも」(大阪小児科医会 藤岡雅司 副会長)

地域の小児科が抱えるこうした現状に、大阪府の吉村知事は…

「府が特別な制度を作って、コロナ治療をやっていない医療機関も支えるまでの対応は、まだ検討していない」(大阪府 吉村洋文知事)

コロナに対応する“新しい体制”を模索し続ける毎日です。

「これからの自分たちの生き残る道を考えないといけない時代になってきている。これまでと同じやり方では経営的に成り立たないのは明らかになってきている。ここから工夫してやっていこうと思う」(中川元 医師)

Q.今後、どういうふうに経営?

「それが、まだわからない状況。手探りの中で進めていくという感じです」(中川元 医師)