現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年6月21日【北海道放送】
【SDGs×コロナ後の世界】コロナでもフル稼働!チョークと働きがい

新型コロナウイルスに見舞われても活気に満ちた工場があります。 本来なら捨てられる貝殻を使い、品質の高いチョークをつくる障害者たちの姿をお伝えします。

札幌から北に50キロ、北海道美唄市の小学校です。黒板に色とりどりの線を引く小さなチョークにSDGsの可能性が詰まっています。

「チョークの書き味は滑らか。字のかすれがなくて、発色がとてもいい」(教諭)
「重ねたらいろいろな色になるので楽しい」(児童)

チョークを作っているのは、地元の日本理化学工業です。チョークの全国シェア7割を占め、海外20か国にも輸出されています。

このチョークが愛されている理由は・・・。
「こちらの工場で作られているチョーク、実は道産のホタテの貝殻を原料に使っています」(記者)

「小麦粉より細かい。5ミクロン(1000分の5ミリ)、とてもミクロな粉」(日本理化学工業・西川一仁常務)

ホタテは北海道を代表する海の幸ですが、一方で毎年およそ20万トン近くの貝殻が捨てられています。その貝殻を独自の技術で砕いて練り上げることで、書き味が良く環境にも優しいチョークを作っています。

新型コロナウイルスの影響で学校が休校中も工場はフル稼働。実は、27人の従業員は知的障害があります。

この会社では60年前から障害者を積極的に雇用しています。工場には障害者でも働きやすい工夫が施されています。たとえば、数字を読むことが苦手な人には「グラム」ではなく「色」で計量。能力を引き出すことで従業員は「働く喜び」を得るのです。

「従業員全員、仕事が楽しい。ほめられて役に立って必要とされると、いきいきと仕事をする」(日本理化学工業・西川一仁常務)

「教室に早くチョークを届けたい」
新型コロナに負けず、チョークを作る責任感が働きがいにつながっています。

「いい製品を送れるように、客に喜んでもらうために働いている」(従業員)
「(チョークの粉が)手につかないので、子どもたちが喜ぶ」(従業員)

1本1本のチョークには、小さなマチでひたむきに働く障害者の優しさと持続可能な社会の可能性が詰まっています。