現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年6月19日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】中国 アプリ運用プライバシーへの懸念も

新型コロナウイルスによる死者は、世界で45万人を超えました。中国ではすでに様々な感染対策アプリが運用されていますが、プライバシー保護への懸念もぬぐい切れません。日本式アプリに求められる事とは…

北京で使われている健康証明アプリ「ヘルシーキット」。北京市政府によって運用されていて、高リスク地区などを訪れると、緑から「赤」や「黄色」に変化します。

強制ではありませんが、オフィスビルやホテル、さらに空港の入口で確認する仕組みが北京全体で作られているため、ほとんどの人がインストールしています。当局は、利用する携帯電話の基地局によって所在地を把握しているものとみられます。

「感染制御に使うだけです。それ以外は答えられません」(アプリを運営する北京市)

こうしたアプリの精度を高めているのが、“政府主導”による“積極的な”個人情報の収集です。北京では、食品卸売市場で150人以上の集団感染が発生していますが、近くを通った人の元には突然、当局からこんなメッセージが…

「ビッグデータをもとに、あなたが市場の近くを訪れたことが分かりました」

中国政府は、個人情報を利用し、感染拡大以降、全国の濃厚接触者75万人以上を把握していると強調しています。

「(濃厚接触者を)調べる時は便利です」(北京市民)

「感染制御のためです。避けられないです」(北京市民)

北京では、監視カメラが至る所に設置され、「監視社会」が常態化していることから、日本と比べ、個人情報把握についての抵抗は少ないようにもみえます。情報学の専門家は、中国式アプリついて「効果がある」としながらも、こう指摘します。

「中国のような積極監視型のやり方は効果がある。効果があるが、副作用も強い。(赤黄色のシグナル出ると)社会における排除差別の問題にも、つながるだろうと」(憲法・情報学に詳しい 慶応義塾大学 山本龍彦教授)

一方で、現代の「テクノロジー」や「データ分析」は感染拡大を封じ込める重要な武器として活用できるため、必ずしもプライバシーと対立するものではないとも強調します。そのうえで…

「(接触確認アプリは)平時に持ち越さないという。あくまでも(感染予防)限定的なものなんだというけじめ。目的を限定するということ」(憲法・情報学に詳しい 慶応義塾大学 山本龍彦教授)

利用者が増えるほど効果が増すという「接触確認アプリ」ですが、プライバシーへの「安心感」の確保が課題となります。