現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年6月16日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】】EU「移動の自由」復活、観光大国イタリアは

新型コロナウイルスの世界での感染者が800万人を超えるなか、拡大が収まりつつあるEUの多くの国は15日、国境封鎖を緩和し「移動の自由」が復活しました。16日の「現場から、」は、観光産業の回復を目指すイタリアの現地取材です。

「これまで人で埋め尽くされていたトレビの泉ですが、観光客は、まだまだ少ない状態です」(記者)

ヨーロッパの多くの国からイタリアへ入れるようになりましたが、首都ローマの観光スポットに、まだかつての賑わいはありません。スペイン階段も1人で独占できるほど寂しい人出です。映画「ローマの休日」で有名な「真実の口」では…

「口の奥まで、しっかり消毒しています。ほら、消毒液のしずくが分かるでしょう」(「真実の口」の担当者)

行列も待ち時間もほとんど無く、口の中に手を入れられます。

「イタリアをヨーロッパや世界の観光客が再び安心して訪れられる旅行先にします」(イタリア コンテ首相、3日)

年間およそ6400万人と人口に匹敵するほどの旅行客を誇るイタリア。GDPの13%を占める観光産業の復活が期待されますが、今年訪れる外国人観光客は最大で4600万人減ると予測されています。観光地周辺には閉店したままの店も多く、シャッター通りになっている場所もありました。営業している店も売り上げは激減していて、距離をとるためテーブルなどの数を減らしていても、空席が目立つ状態です。

「去年と比べて5%の収入しかありません」(レストラン経営者)

さらに、ローマにあるおよそ1200のホテルのうち開業しているのは150ほどで、不審者に侵入されないようエントランスが板などで覆われているホテルもあるほどです。日本や中国などアジアからの観光客が半数近くを占めていたため、本格的な回復には長い時間がかかるといいます。

「復活するには最低3年かかると覚悟しています。この状況から抜け出すのは2023年くらいになるでしょう」(ローマホテル協会会長 ジュゼッペ・ロショーリさん)

15日、フリーランスで働くツアーガイドたちが集まって抗議活動を行っていました。観光客が途絶え収入を得る手段が無いにもかかわらず、イタリア政府がフリーランスの人に出していた給付金の支給を今月分からストップするおそれがあり、生活の見通しが立たないというのです。

「3月から(仕事していない)仕事ない、お金ないですね」(ツアーガイドの男性)

「生活は本当に大変です。政府から受けている支援は、恥ずべきほど足りないんです」(デモ参加者)

一時、死者数が世界最多を記録したイタリア。旅行客が戻るまで観光産業をどのように維持するのか、第2の試練に直面しています。