現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年6月9日【TBSテレビ】
【SDGs×コロナ後の世界】香港 抗議活動も新型コロナで“一変”

香港の抗議デモが本格化してから9日で1年です。激しいデモが続いていた香港ですが、新型コロナウイルスの流行により、抗議活動を取り巻く状況は一変しています。

「林鄭 辞めろ!逃亡犯条例反対!」(香港、去年6月9日)

1年前の6月9日、香港で行われた大規模デモ。刑事事件の容疑者を中国に引き渡すことを可能にする逃亡犯条例の改正案に100万人以上が抗議の声を上げたのです。

「今、デモ隊が道路を占拠してたんですが、警察が今、排除に乗り出しています」(記者、去年8月4日)

香港政府が市民の声に耳を傾けなかったことから、デモは過激化の一途をたどります。「逃亡犯条例の改正案の撤回」だけでなく、「普通選挙の実現」などを求めるようになり、抗議活動は反政府デモに形を変え、さらに勢いを増したのです。ところが、新型コロナウイルスの流行が状況を一変させます。

新型コロナの感染防止策として、香港政府は9人以上の集会を禁止。抗議集会やデモに参加した人は即座に逮捕されるようになり、大規模な抗議活動は開催できなくなりました。新型コロナ対策を名目にした嫌がらせはデモを支援する飲食店にも…。この店は、抗議デモの際、参加者に食事や飲み物を無料で提供しています。新型コロナの感染を防ぐために、飲食店では半分の席を空けることなどが義務づけられていますが、違反の疑いがあると警察に言いがかりをつけられたといいます。

「20人以上の警察官や衛生局の職員がどっと店に入ってきて、騒いだり怒ったりしました。明らかにデモを支援する店に圧力をかけている」(「デモ支持」の飲食店店主)

先月28日には、「国家安全法」を導入する方針が全人代で採択され、香港を見限る動きも…。

「国家安全法」が採択された直後の週末、香港で開かれた移民セミナーに定員を超える70.人以上が集まりました。移民先として台湾やヨーロッパ、日本などが人気だといいます。

「国家安全法が出てきてから、問い合わせは20~30倍です」(移民セミナー主催者)

民主派団体メンバーの周庭さんは、今、香港にあふれる感情を、こう説明します。

「やっぱり恐怖感ですね。恐怖感がたくさんあって、中国政府や香港政府に反対する意見を話したら、何か逮捕されたり、ひどい目に遭ったりするんじゃないかなとか、香港民主化運動もこれで終わるんじゃないかという考え方もありますが、最後の最後まで反抗することが大事だなと思いました」(民主派団体メンバー 周庭さん)

「香港を取り戻せ」と市民が声を上げてから1年。現状を変えられない無力感が香港の街に漂っています。