現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年3月31日【TBSテレビ】
育てた魚を… 命の授業で学んだこと

温暖化や乱獲により海の環境が悪化する中、子どもたちが自ら育てた魚の「命」を通じて、環境問題を学び、考える取り組みが行われています。

東京・渋谷区にある小学校では2年前から特別な授業が行われています。学校で海の魚を育てる「陸上養殖」です。魚の世話を通して海の資源や環境を学ぶことが目的ですが、ただ育てるだけではありません。

「当たり前のように食べられる事が実は違うんだよ、そこには感謝が必要だよと。つらいが、あえて、そこを学ぶために『食べる』」(講師を務める NPO日本養殖振興会 齊藤浩一 代表理事)

「命を頂く」。その意味を考える授業でもあるのです。

半年間みんなで育てたヒラメを「食べる」か。子どもたちが自ら考え、選択するための議論が行われました。

「(食べ物としての)ありがたみも分かるし、命の大切さが分かりやすい」(食べる派)

「急に(ヒラメが)殺されるのは、自分たちに罪悪感」(食べない派)

「(食べることで)皆が生き物の大切さを知って、逆に(ヒラメの数が)増えるかもしれないし、僕も家で飼っている金魚を、この授業でもっと大切に扱おうと思った」(食べる派)

議論をしていく中で気持ちが変化する児童も…

「海に放流しても生きられる確率は1%より、たぶん少ないと思う。あまり食べたくないが、そう考えるとヒラメのために食べた方が良いかなと」(食べない派)

「(食べる人と食べない人)半分半分はダメなんですか」(別の意見)

「新しい意見ですね」(講師)

結局、全員一致とならず、多数決で「食べる」ことになりました。

このプロジェクトを全国7つの小学校で主催する日本財団は、「議論」を子どもの頃から積み重ねることが環境問題の解決に重要だといいます。

「(議論で)何かを導き出すことを努力し続けることが大事。(環境問題解決の)良い手段を次の世代が作り上げていってほしい」(日本財団 海野光行 常務理事)

1週間後、「命を頂く日」。

さばいたヒラメは、「しゃぶしゃぶ」でいただきました。

「自分で育てたから、おいしかった」(児童)

Q.これから心がけたいことは

『いただきます』を心を込めて言う」(児童)

「残さず食べる」(児童)

「生き物を大切にしたい」(児童)

「命の大切さを学ぶことは食べることだと友達が言っていたので、(それは)どういうことだろうと深く考えながら食べた」(児童)

「命」と真剣に向き合った子どもたち。その意識が変わり始めています。