現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年3月16日【TBSテレビ】
日本の女性研究者割合16%なぜ

日本の大学などで活躍する研究者のうち、女性の割合は世界でも最低レベルです。女性研究者同士で助け合う取り組みもありますが、子育てと研究を両立させる環境は、まだまだ整っていません。

名古屋大学に勤める田川美穂准教授(44)。小学校に通う子ども2人の朝食の準備から一日が始まります。

「時間がないときは、すっぴんで出勤します」(名古屋大学 未来材料・システム研究所 田川美穂准教授)

登校する2人を見送ったあと、大学に出勤します。夫も研究者で兵庫県に単身赴任しているため、平日は1人で子どもの面倒をみています。帰宅しても、息を抜く暇がありません。

「明るいと子どもが起きてしまうので、このランプで仕事をします」(名古屋大学 未来材料・システム研究所 田川美穂准教授)

子どもを寝かせたあとも、台所で仕事をする日々を送っています。

大学では、物理や化学、生物の知識を組み合わせて新しい材料を作る研究に取り組んでいます。

「初めて何かできたときは、世界で初めて自分だけが知るものができたわけですよね。そういうとき、すごくうれしいです」(名古屋大学 未来材料・システム研究所 田川美穂准教授)

しかし、日本の女性研究者の割合はわずか16%。イギリスなどでは4割を女性が占めるなか、最低に近い水準です。

“研究は長期間に渡るもので、簡単には中断できないものだからこそ、出産や育児中も働き続けられる仕組みが必要”だと、田川さんは話します。

「一番子育てが大変なときに、仕事も一番大変。子育て中、少し休むということができない」(名古屋大学 未来材料・システム研究所 田川美穂准教授)

田川さんにとって、今頼りなのは仲間です。単身で子育てをしている同じ大学の女性研究者たちで立ち上げた「子育てネットワーク」。お互いに子どもを大学に連れてきて、余裕があるメンバーが面倒をみるというものです。20人ほどが参加していて、互いの自宅で子どもを預かることもあるといいます。

「(子どもが熱を出したとき)一時的にでも見てくれないかというお願いをしたり。最後のとりでとして、心強い存在でした」(名古屋大学大学院工学研究科 鳴瀧彩絵准教授)

「部局をこえて交流して情報交換しつつ、子育ても一緒にできるというのが、非常に孤立化しないし、すばらしいことだと」(名古屋大学大学院理学研究科 上川内あづさ教授)

“女性研究者が増えることが日本の研究のあり方自体をきっと変える”と、田川さんは話します。

「同じ教育を受けた同じ人だけの集まりは、同じ考えしか生まれてこない。そこが問題だと思います。いろんなバックグラウンドの人を集めるということが、研究においてメリットが大きいと思います。ぜひ進めていきたいと思います」(名古屋大学 未来材料・システム研究所 田川美穂准教授)