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2020年2月24日【テレビユー福島】
被災時こそ障害児のよりどころを

台風19号で被災した福島県の障害児施設が、元の場所で再開しました。被災から4か月。代表の女性の思いと、見えてきた課題とは。

福島県いわき市のデイサービス施設「どりーむず」。ここに通うのは、重い知的障害や体が自由に動かせないなどの重症心身障害児たちです。

その、子どもたちの視線の先にあるのは、天井に描かれた青空。3か月ぶりに戻って来た、どりーむずの青空です。施設は去年の台風19号で浸水被害に遭い、これまで、仮の事業所で子どもたちを預かってきました。

重症児とその親の心のよりどころになってきたどりーむず。急ピッチで復旧作業が行われ、先月4日から元の事業所で再開しました。運営するNPOの代表、笠間真紀さんは、こう振り返ります。

「まず本当に、ここに戻って来られたことがすごくうれしい。市内だけでなく、全国からたくさんのご支援をいただいて、応援の言葉もいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。もう3か月なのかという思いと、まだ3か月しか経ってなかったのかという思いと…」(笠間真紀さん)

今回の台風をめぐって、JNNがどりーむずなどを利用する重症児の親にアンケート調査を行ったところ、回答した人のうち、8割近い人が台風19号の際、避難をしていませんでした。避難をしなかった人にその理由を聴いたところ、半数近い人が「避難所でほかの避難者に迷惑がかかるから」と答えています。

自身も重症児の理恩くんの母で、自宅も被災した笠間さん。利用者の置かれた状況がわかるからこそ、再開を急ぎました。

「避難所にうちが行かなかった。その時に地域の誰かが『笠間のところ、来ていないけど大丈夫なの?』とか、『理恩くん大丈夫なの?」って考える人が避難所には誰もいなかった。笠間理恩くんがあそこに住んでいるとか、こういう状態で医療機器に囲まれて生活しているというのを、地域の人は知らなかった。より地域に密着した発信というのは、していなかったなって」(笠間真紀さん)

笠間さんは今回の台風で、災害時の備え以上に、地域とのつながりや情報発信の重要性について感じたと話します。

「普段からの心構えというのが生きると思う。東日本大震災のときと全然変わってないと、本当に痛感した」(笠間真紀さん)

私たちのすぐそばに必ずいるはずの、助けが必要な人たち。今回の災害では、その助けが必要な人たちが遠慮や我慢をしている実態が浮き彫りとなりました。災害弱者を取り巻く多くの課題は、健常者や受け入れる側の理解や心がけひとつで、前に進むものもあるのではないでしょうか。