現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年2月22日【CBCテレビ】
ゼロからの日本語教育

日本で外国人労働者の受け入れが拡大する中、日本語が十分に話せない子どもは全国で5万人を超えています。その言葉の壁をなくそうと愛知県のNPOが確立した「3か月で日本語をわかるようにする」教育法が注目を集めています。

去年夏、家族でベトナムから来日した小学1年生のコイさん。

Q.名前は?

「あー…」(ベトナム出身 グエン・マイ・コイさん 去年9月)

Q.日本語は楽しいですか?

「…」(ベトナム出身 グエン・マイ・コイさん 去年9月)

日本語が全くわからず、不安な表情。しかし、3か月後…

Q.学校で何を頑張りたいですか?

「算数と国語と体育を頑張りたいです」(グエン・マイ・コイさん 去年12月)

コイさんは、現在暮らしている愛知県豊明市のNPOが確立した、今注目の「教育法」で話せるようになったのです。

豊明市は名古屋市などで働く外国人のベッドタウンで、コイさんの父親もメーカーに勤務するエンジニアです。人口の5%、3300人の外国人が住んでいて、8年前からNPOに委託し、日本語教室を無料で開いています。毎日4時間、3か月の短期集中プログラムです。

「モチベーションは来日したときが最大。半年経ってもしゃべれない、1年経っても…だったら、日本語をやる気がなくなると思う。最初に良いものできちんとした指導をすることが子どもの伸びる要素になる」(日本語教室を開く 森顕子さん)

去年9月、コイさんが初めて習った日本語は…

「立って。座って。見て」

「立つ・座る・見る」という動詞を、「何々しなさい」という指示の形でジェスチャーを交えて教えるのが、授業の入り口。平仮名より先に教えます。そして、日本人なら無意識に使い分けられる小さい「っ」は、手拍子を使って楽しく。たくさん褒めるのも特徴の一つ。

NPOの代表で教員免許を持つ森顕子さんが10年以上かけて確立したこの教育法は、その成果が認められ、他の自治体から講演の依頼もあるほどです。

「少子高齢化で子どもの数が減っている中で、外国の子どもたちは、もう(日本に)いる。うまく育てていけば、素晴らしい人材になって日本を支えてくれるはずなのに、その子たちに手を差し伸べないのは考えられない」(日本語教室を開く 森顕子さん)

コイさんが日本語を習い始めて2か月。

Q.いつも何時に起きますか?

「7時に起きます」(ベトナム出身 グエン・マイ・コイさん 2か月後)

Q.きのう宿題をしましたか?

「しました」(ベトナム出身 グエン・マイ・コイさん 2か月後)

Q.難しかった?

「いいえ、難しくないです」(ベトナム出身 グエン・マイ・コイさん 2か月後)

そして、3か月のプログラムの最終日には、年賀状をきれいな文字で書けるまでに。新学期からコイさんは豊明市内の小学校で日本の子どもたちと全く同じ授業を受け、クラスメイトと日本語で会話できるようになりました。

「コイちゃん、楽しい?」(友人)

「楽しい」(グエン・マイ・コイさん)

外国人の子どもが活躍するチャンスを広げるこの教育法は、ひいては日本の社会を持続可能にするための基盤になりそうです。