現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年1月22日
和傘を守れ!後継者育成もSDGs

岐阜の和傘は日本一の生産量を誇りますが、部品を作る職人の後継者不足が深刻な問題となっています。それをSDGsの項目の一つ、「パートナーシップ」で解決しようという取り組みが始まっています。

江戸時代からの伝統を受け継ぐ「岐阜和傘」。岐阜市は日本一の和傘の産地です。

和傘職人の河合幹子さん(32)。伝統の和傘に、新しい風を吹き込んでいます。去年公開の映画をモチーフに作られた「桜和傘」。美しいシルエットと色づかいがSNS上で話題となり、入手は1年待ちの「超」人気商品に。さらに、岐阜が舞台になる大河ドラマをイメージした「桔梗和傘」は、光の差し込み方で色が変わり、SNSで30万件を超える「いいね!」を集めました。

若い世代にもその価値が見直されている和傘ですが、いま業界全体が直面する課題が…。

「2つ1組で“ろくろ”と言います。この部品を作られているのが、日本に一人、長屋さんという方だけで、もしもこの部品の生産が途絶えてしまうと、岐阜和傘のみならず、日本全国の和傘の生産者が和傘を作れない状態になってしまう」(和傘職人 河合幹子さん)

傘を組み立てるために絶対に必要な「ろくろ」を、日本で作ることができるのは岐南町の長屋一男さん(70)ただ1人です。小さな5枚の刃物がかみ合って、あっという間にろくろの形が出来上がりますが、今はこうした道具を作る業者もいなくなり、ほとんどの道具を自分で作らざるをえません。

「私個人では、後継者育成は資金的にも難しい状態になってきていますし、年齢的にも今が限界」(ろくろ職人 長屋一男さん)

こうした中、去年11月、岐阜市にある和傘の振興会が中心となって、後継者を育成するために、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングが始まりました。

「複数のSDGsに連携してくると思います。和傘の原料から生産までのみならず、最終的に使う分野の方々も(クラウドファンディングで)参画して、産業再生に関わってきてくれているので、パートナーシップの広がりというのも非常に大きな意味を持つプロジェクトだと思う」(振興会のアドバイザー 蒲勇介さん)

250万円を目標に始まったクラウドファンディングですが、すでに440万円を超える資金が集まり、SDGsの取り組みを支援する企業からさらに250万円が寄付されることも決まりました。そして公募していた後継者も32歳の男性に決まり、先週、お披露目を迎えました。多くの人の力で、解決を目指すSDGs。グローバルな課題だけではなく、身近な問題に対しても人の輪が広がっています。