【現場から、】新しい時代に

 
2019年12月27日
全国をまわる“若者の出稼ぎ”

今、「出稼ぎ」のイメージが変わり始めています。出稼ぎの担い手は若者、みかんの生産量全国1位の和歌山県のみかん農家をも支えています。

和歌山県の中央に位置する有田川町は県内で最もみかん作りが盛んな地域です。正月を控えた、今の時期は収穫の最盛期。しかし、過疎と高齢化の波は、みかん農家を直撃しています。

「私は68歳ですけど、68歳は有田みかん農家の平均年齢。若い人が入ってこない中で平均年齢だけが上がっていく」(みかん農家 佐々木茂明さん)

そんな、みかん農家を支えているのが収穫時期2か月間限定の若者の「出稼ぎ労働」です。町全体で100人程度います。

「新宿区民です。はるばる和歌山まで」

こちらの男性は札幌に実家がありますが、仕事を求めて全国を渡り歩いてきました。

「(小笠原諸島の)父島が大好きで、そこに行っていました」(札幌から来た男性)

「全国を回っている人のほうが仕事慣れしている。ただ、個性が強いので、最初は見た目がなかなか、受け入れるまで時間がかかった」(みかん農家 小沢守史さん)

松本小春さん(25)。岐阜県の出身で、下呂温泉や箱根温泉の旅館で住み込みで働いた経験があります。今年の10月末、初めて有田川町へ来ました。

「仕事をやめて住むところがなくなったので。住み込みには慣れているので、遠くに行くことも苦じゃないし」(岐阜出身 松本小春さん)

松本さんの時給は850円。朝8時から5時まで一日1000個を収穫するといいます。お昼は、同じ出稼ぎの女性や農園で社員として働く先輩といっしょに畑で食べます。

「休みは雨の日にだいたい」

Q.休みはどうしている?

「家にいる。泥のように眠る」

松本さんら出稼ぎの若者たちは農家が用意した民家で寝泊りし、夜は自炊します。

「いろいろな場所を転々としてる人にいっぱい会いましたけど、そういう生活しているので、珍しいと感じたことはないです。いろいろな所に行っていろいろな人に会えるから、いろいろな経験ができている」(岐阜出身 松本小春さん)

人手不足に悩む農業を支える若者たち。季節に応じて、全国どこにでも出かけていって働く新しい生き方を楽しんでいるようです。