【現場から、】新しい時代に

 
2019年10月7日
SDGs “持続可能な”ファッションへの挑戦

今回は、今注目の「サステナブル・ファッション」、つまり「持続可能なファッション」についてです。今年のロンドン・ファッション・ウィークでは様々な斬新なアイデアが紹介されました。

先月開催されたロンドン・ファッション・ウィーク。展示会場では、「サステナブル(持続可能)」「廃棄物ゼロ」といった言葉があちらこちらにみられました。

「こちらにかかっている水着、実は全て、リサイクルされたプラスチックでできているんだそうです」(記者)

“ゴースト・ネット”と呼ばれる、海を漂流する漁業用の網などの海洋プラスチックごみが再加工され、水着に。こちらは既に廃止されたファストファッションブランドのタグを縫い合わせた布で作られた服です。

「モノを捨て続けるかわりに生まれ変わらせることができる、そんな考え方を提示できればと思います」(デザイナー マリア・エサさん)

中古のスニーカーをハイヒールに生まれ変わらせた「リサイクル」ならぬ「アップサイクル」なデザインも。

「モノを買う際に少し立ち止まって考えるべきだと思います。次から次へと急いで消費するのではなくて」(デザイナー アンクータ・サルカさん)

こうしたデザインがファッションウィークで積極的に取り上げられるのは、近年、ファッション産業に対して厳しい目が注がれていることの裏返しでもあります。

この日、会場の外では、環境保護運動「絶滅レべリオン」が抗議のパフォーマンスをしていました。ファッション産業は、原料の栽培などで大量の水を使用すること、生産工程で温室効果ガスを多く排出すること、化学繊維を洗うと無数のマイクロプラスチックが排水に流れ込むことなどが批判されています。

「ファッション産業が地球環境にかけている負荷については課題だと認識しています。今、ブランドを立ち上げる若手の多くがサステナビリティを中心に据えています」(英国ファッション協議会 キャロライン・ラッシュCEO)

ただ、こうした最先端のサステナブル・ファッションは、誰もが買えるわけではありません。寄付された衣類などを売って支援事業に使うNGO「オックスファム」が提案するのは、古着を積極的に買うことです。

「サステナブル・ファッションはまだ値が張ります。その点、古着は値段的にも手に入りやすいですし、サステナブルな買い物です」(オックスファム ジル・ホッキングさん)

手軽に買えるファストファッションの台頭もあって、イギリスでは一年に購入される服の量が2012年から4年間で20万トンも増えました。一方で、オックスファムによれば、1週間に1100万着もの服が廃棄されています。古着を買えば、環境への負荷を減らしつつ、値段も張らないとして、先月は30日間、新品を買わないよう呼びかけるキャンペーンを行いました。

「ファストファッションが環境に与える影響や、サプライチェーンの労働環境への関心を高めてもらいつつ、人々に選択肢を提示したかったのです」(オックスファム ジル・ホッキングさん)

ファストファッションのターゲット層である若者たちの間でも環境への意識が高まるなか、古着の回収やリサイクル素材の使用をアピールする会社も増えています。ファッション産業全体として、環境への取り組みは益々、無視できなくなってきています。