【現場から、】新しい時代に

 
2019年7月17日
アポロから50年 月探査に民間の力

人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号の打ち上げから50年を迎え、全米各地で記念式典が行われました。今、世界各国で再び月を目指す動きが広まっていますが、50年前と大きく異なるのは民間企業の力の利用です。

「打ち上げられました!」

「一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ」(ニール・アームストロング氏)

人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号。その打ち上げから16日でちょうど50年を迎え、フロリダ州のケネディ宇宙センターをはじめ、各地で記念式典が行われました。

「我々は世界中から注目されているというプレッシャーを感じていたよ。でも、その中でベストを尽くしたんだ」(アポロ11号乗組員 マイケル・コリンズ氏)

1972年のアポロ17号を最後に、月面着陸は途絶えていますが、トランプ政権は宇宙開発に力を入れ、2024年までに再び月に人を送ると発表しました。ただ、50年前と今では大きく違う点があります。それは…

「こちらのビルの一画を占める、従業員20人あまりのベンチャー企業なんですけども、実は、アメリカの宇宙開発の命運を握っているんです」(記者)

2007年に設立されたアストロボティック社。月面着陸機や探査車を開発しています。

「この模型は、月に着陸するとき、どのような衝撃がかかるか調べるためのものです」(アストロボティック社 ジョン・ソーントンCEO)

このアストロボティック社に今年、大きな転機が訪れました。NASA=アメリカ航空宇宙局と総額85億円の契約を交わし、月に物資を運ぶ任務を担当することになったのです。実は今、NASAは、こうした民間企業の力を借りて月に再び人を送ろうとしています。その最も大きな理由はコスト削減です。アポロ計画に投じられた資金は現在の価値に換算すると、およそ31兆円に上ります。国家の威信をかけて宇宙開発競争に予算をつぎ込んだ時代とは違い、政府機関の資金不足が問題となっています。

「私は宇宙船の使用料を下げたいんです。将来、夢を持った若者が宇宙ビジネスに参入できるくらいに」(アマゾン ジェフ・ベゾスCEO)

民間企業は「回収して何度も打ち上げられるロケット」を開発するなどコスト削減に取り組んでおり、NASAとしては、この民間の力を利用しようとしているのです。

「政府と民間の協力関係は今後の宇宙開発のカギを握っています。民間の力を使うことで、政府は大きなコスト削減となり、もっと大きな任務に集中できるんです」(アストロボティック社 ジョン・ソーントンCEO)

日本でもベンチャー企業が2021年の月面着陸を目指すなどしていて、世界各国で官民挙げての宇宙開発の動きが加速しています。