【現場から、】新しい時代に

 
2019年6月14日
トランスジェンダー弁護士が目指すもの

今回は、トランスジェンダーの弁護士です。「男女の狭間」で生きてきた弁護士が目指す新しい社会、時代とは?

ハイヒールにヒョウ柄のコート、そして、腰まで伸びた髪。仲岡しゅん弁護士(33)。男性として生まれましたが、今は女性として生きています。

事務所の相談室には、ハイヒールが飾られています。

「私、ハイヒール・フェチなので、どっかでみつけた素敵なハイヒールを買ってきて飾っています」(仲岡しゅん弁護士)

Q.事務所でも法廷でも、基本ハイヒール?
「そうですね」(仲岡しゅん弁護士)

仲岡さんは、思春期に入る頃には自分が男性であることに違和感があったと言います。

「やっぱり気持ち悪いなという部分があったんです。今でこそ自由に自分を表現してますけど、やっぱり自分の体に合わない鎧を着込んで歩いているような感じだったんですよ」(仲岡しゅん弁護士)

知人の勧めがきっかけで、見かけをちょっとずつ変え始めたのは20代半ば。弁護士になる前で、学童保育の指導員の頃でした。

「大阪の子どもたちって、やんちゃじゃないですか、だから女性の先生に対して、『おいババァ』とか言うんですね。周りの先生方は『おいババァ』って言われたら、『だめよ』って注意する。『誰がババァじゃ!!』、ドスのきいた声が出るという特技があるんです」(仲岡しゅん弁護士)

【弁護士を志望した理由は】

「一昔前は夜の世界しか働く場所がなかった。差別があったからなんですよ、就職差別。実際、私も弁護士になる前に就職差別を受けたことがありましたから、そういう状況の中で、自分が周りから叩かれようが蹴られようが、腕一本で生きていく術が欲しいと」(仲岡しゅん弁護士)

弁護士になって4年。これまで仲岡さんは、収監後に丸刈りを強要されるLGBT受刑者の処遇の見直しなどに取り組んできました。

「男性として処遇されるというのは、その人の性的アイデンティティに対する非常に重い侵害になってしまう。お前悪いことしたんだから、自分の性的アイデンティティを否定されて当然だろうというふうに言ってしまうのは違うと思っている」(仲岡しゅん弁護士)

最近は自分にしかできない仕事にやりがいを感じ始めています。

「(女性依頼者から)男性社会の在り方も踏まえた上で、自分の弁護をしてくれるからありがたいと。他にはない強み」(仲岡しゅん弁護士)

【令和とLGBT】

「ある意味、私が今とりあげられているのも、珍しいから取り上げられている。だけど、令和の時代は、珍しいから取り上げられるのではなくて、そういう人も当たり前にいるよねっていうような時代になってほしいと思っています」(仲岡しゅん弁護士)