1万通の手紙 池袋暴走事故が問うもの

2021年7月15日放送【これまでのオンエア】
池袋暴走事故 90歳飯塚被告に禁錮7年求刑

東京・池袋で親子を含む11人が死傷した事故の裁判で、検察側は、90歳の飯塚幸三被告に対し、禁錮7年を求刑しました。

うつむいたまま東京地裁に入った旧通産省工業技術院の元院長・90歳の飯塚幸三被告。飯塚被告は、おととし4月、池袋で乗用車を暴走させ、松永真菜さん(31)と当時3歳の莉子ちゃんの親子らあわせて11人を死傷させた罪に問われています。

「車の異常だった。アクセルとブレーキの踏み間違えはない」(飯塚被告)

裁判では一貫して無罪を主張してきた飯塚被告。15日の裁判では、検察側の論告求刑の前に遺族ら7人の意見陳述が行われました。

「莉子は傷がひどすぎて、顔を見ることができなかった。棺に寄り添いながら、『ごめんね、じいじが代わってあげられなくて』と一晩中、謝った」(亡くなった真菜さんの父)

最後に証言台に立ったのは、妻と娘を失った夫の拓也さん。

「私は実刑判決が出ると信じています。しかし、高齢や健康状態を理由に、収監されないかもしれません」(松永拓也さん)

論告で、検察側は「松永さんの憤り、悲しみは筆舌に尽くしがたい」「被告は不合理な弁解に終始し、心からの反省を拒絶している」と指摘。過失運転致死傷罪での法定刑の上限となる禁錮7年を求刑しました。

一方、最後に飯塚被告は、車いすから立ち上がり、こう口を開きました。

「2人が亡くなり、本当に本当に申し訳なく思っている。もう少し早く運転を止めておけば良かったと反省している」(飯塚被告)

裁判長は、これまでの飯塚被告の主張をどう判断するのか。判決は9月2日に言い渡される予定です。

【裁判を終えて…】
「ここまで来るまで長かったですけど、虚しさと今終えた、やれることはやったという気持ち。複雑な感情でいます」(妻と娘を失った松永拓也さん)