【現場から、】平成の記憶


2019年4月3日
“便利さ”追い求め「切符」30年

きょうは鉄道の「切符」です。便利さを追い求めて紙から電子マネーへと大きく姿を変えた切符の30年に迫ります。

平成が始まった1月8日、多くの人が「1-1-8」と書かれた切符を買い求め、さらに1月11日には「1-1-11」、つまり「1並び」の切符を求める長い列ができました。切符は新たな時代の始まりを示す“記念品”でした。

この頃、駅の改札口では駅員が乗客から「紙の切符」を受け取り、専用のハサミで切り込みを入れていました。たくさんの人が改札を通る朝夕のラッシュアワーには、ハサミの音が構内に響き渡りました。切り込みは、実は駅ごとに形が違っていて、駅員は乗客がどの駅から電車に乗ったか、切り込みの形で確認し、運賃をごまかす不正乗車を見つけていたのです。

東京のJR日暮里駅の駅長・塩谷健一さん(55)も、かつて、駅の改札口に立っていました。

「先に目が合うんですよね。遠くで1回、目が合って、こちらの様子をうかがうと、そういう方は改札口の真横まで来ると、こちらを見ないで通りすぎるという方は大体なんか怪しいぞと」(JR日暮里駅 塩谷健一駅長)

しかし、駅が混雑すると、改札をすり抜けられてしまうことも…。当時、不正乗車はJR東日本のエリアだけで、年間300億円もの被害があったということです。

そこで導入されたのが、今はおなじみの自動改札機です。正しい切符を通さないとゲートが閉まって通ることができなくなり、不正乗車の対策に効果をあげ、さらにはスムーズな人の流れを作り出しました。

そして平成3年、JR東日本は入れるだけで運賃が差し引かれる「イオカード」を日本で初めて導入。さらに、その10年後、ICカードにあらかじめ電子マネーをチャージして改札を通る「Suica(スイカ)」を送り出します。切符がなくても電車に乗れるようになりました。

「切符を買って乗るのが当たり前というところが、直接、改札機でご利用いただけるということで、電車の乗り方そのものがですね、変わった30年なのかなと考えております」(JR東日本営業部 中庭剛課長)

今や9割以上の乗客がICカードを利用していて、JR東日本が購入する切符の紙の量は、「Suica」導入前と比べ10分の1にまで減りました。

Q.切符って買われますか?

「買わないです」(駅の利用者)
「買わないね、買ったことない」(駅の利用者)

Q.昔は切符を渡すと駅員さんが切ってくれたんですよ

「なんかジブリで見たことがある。ジブリの映画で」(駅の利用者)

そして今、駅の切符売り場で目立つのは外国人旅行者たち。

「私が今、券売機で買ったこちらの切符。日付には西暦が使われています」(記者)

JR東日本は去年、「元号」を知らない外国人旅行者のため、切符の日付を「和暦」から「西暦」に変えました。同じ数字が並んだ「ゾロ目の切符」は、200年先まで見ることはできません。