【現場から、】平成の記憶


2019年2月12日
今も“残す”… いん石が直撃した町

今回は、日本海に面する島根県の民家に直撃した「いん石」です。壊れた家の一部は、今も当時のまま。町ぐるみでいん石の魅力を発信し続けています。

平成4年12月、島根県美保関町(現・松江市美保関町)のごく普通の民家に報道陣などが殺到しました。そのワケは…

「雷が落ちたらバリバリというと思うけど、鈍い音『ドーン』という感じだった。重たいものが落ちてきた感じ」(自宅にいん石が落下 松本美栄子さん)

民家に落ちたのは…そう、いん石でした。長さ25センチ、幅14センチのウリ型で、重さはおよそ6.4キロ。

「現在の段階で(いん石を)どこにどうするかはまだ最終的に決めていない」(自宅にいん石が落下 松本優さん)

いん石はその後、公民館に展示され、およそ3か月間で1万人を超える見物客が訪れました。また「美保関いん石」にちなみ、地元の菓子店が「いん石まんじゅう」を販売し、売り上げ金の一部を町に寄付しました。あれから、およそ26年。いん石が落下した町を訪ねると…

こちらは、いん石落下からおよそ3年後にオープンした「メテオプラザ」。「美保関いん石」をモチーフにして建てられ、フェリーターミナルなどを備えた複合施設です。その施設内には…

「こちらが本物の美保関いん石です」(メテオプラザ 山形由香里さん)

「美保関いん石」が常設展示されている施設には、年間およそ4万人が訪れています。そして、いん石が落ちたあの民家にうかがうと…

「ちょっと丸くくぼんだ所にいん石が当たって、えぐれた跡」(自宅にいん石が落下 松本優さん)

「そのままにしている?」(記者)

「26年間そのままの状態」(松本優さん)

壊れた家の一部は当時のまま。今でも見学に訪れる人たちのために残されていました。

Q.当時来られた方は多かったですか?

「それはもうすごかった。1週間ぐらいは2~3時間しか寝かせてもらえなかった。1人でもいいから、宇宙に興味を持ってくれる子どもが育ってほしい」(自宅にいん石が落下 松本優さん)

26年前届いた宇宙からの贈り物は、次の時代も町の宝として受け継がれていきます。

「平成の記憶」取材後記

「来てくれる人たちに少しでも楽しんでもらいたい。そう思ってがむしゃらに続けていたら、これだけの年月が経っていた」と話す松本優さん。自宅を訪れる人たちにお茶を出すなど、その「おもてなし」は今も変わらず続けているといいます。

また自宅には、「美保関いん石」のレプリカがあり、子どもたちが宇宙に興味を持ってもらえるように、実際に触ることができます。

およそ46億年前、私たちの住む地球とともに誕生したといわれる「美保関いん石」。いん石の魅力を伝え続けようとする、松本さんや町の取り組みは、次の時代も多くの人に、宇宙へのロマンを与えてくれそうです。

記者:小林健和

山陰放送2018年入社
今年1月からテレポート山陰(ローカルワイド番組)のキャスターも担当