【現場から、】平成の記憶


2019年1月18日
改元めぐる“テロ”~警察の戦い

平成の「即位の礼」の前後には、反皇室を掲げる過激派テロやゲリラ事件が相次ぎました。その数、143件。警視庁の独身寮が、連続して爆弾で狙われる事件も起きました。独自映像と共に、警視庁の過激派との戦いを追いました。

1990年(平成2年)11月1日夜。最初の爆発は、東京・新宿区にある警視庁の独身寮「清和寮」で起きました。

「このへんが今は新しくなってますけど、(当時は)ブロック塀でした。爆発の威力によって、黒くなっていて、破壊されていた」(元警視庁爆発物対策係・渡辺儀兵衛氏)

この爆発で警察官1人が殉職。直後に大勢の警察官らが現場に駆け付けたところで、さらにもう1個が爆発し、被害は拡大。7人がけがをしました。

「時限式発火装置、きわめて卑劣な爆発物」(渡辺儀兵衛氏)

さらにその3時間後、今度は新宿とは別の世田谷区にある警視庁独身寮でも、爆弾が2つ見つかりました。その処理中に爆発が起きたのです。

今回、その時の内部映像を独自に入手しました。爆弾を、液体窒素が入った容器に入れようとすると爆発してしまいました。

即位の礼の11日前に起きたテロ事件。天皇の戦争責任を追及し、天皇制の打倒を掲げる過激派・革労協が犯行声明を出しました。しかし、容疑者の特定には至らず、2005年に公訴時効を迎えました。

事件を受け、警視庁は、警察官の教育のためにビデオを作りました。

「不審物件だ!触るな!踏むな!蹴飛ばすな!」

交番勤務については注意を呼びかけるため、悪い例を紹介しています。

「あーあ、幹部が点検しろしろってうるさいから、一回りしてみるか。うちの交番がやられるわけねーよな。異常ねえや」

不審物の通報を受けた時の手順も説明されています。

「個人装備は車内でつけろ!乗車完了、出発!」

「置かれた不審物そのものを金属探知機など資機材を有効に活用して、慎重に観察します」

1990年11月12日即位の礼当日。爆竹騒ぎはあったものの、儀式は無事に終わりました。ただ、この日だけでも、爆弾や迫撃弾による攻撃や放火など、過激派のテロやゲリラ事件が全国で40件起き、年間ではあわせて143件にのぼりました。

当時、警備一課長だった元警視総監の米村敏朗氏。1人が殉職した独身寮爆破事件をこう振り返ります。

「危機管理についての最も痛い失敗。テロはやられたら失敗」(米村敏朗元警視総監)

それから28年。過激派は目立った動きを見せていませんが・・・。

「今までの経験からくる失敗、失敗の一歩手前からしっかり何を学んで、次の危機管理に想像と準備をどうやって具体的にやっていくのか」(米村敏朗元警視総監)

平成からの代替わりを迎えようとしている今回も、警視庁は、不測の事態に備え、厳重な警備計画を進めています。