虐待死ゼロに向かって

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2018年10月3日放送

子どもの虐待SOSを見抜け

2018年3月、東京・目黒区で両親による虐待で死亡した5歳の船戸結愛ちゃん。
結愛ちゃんが残していたメモの言葉は衝撃を与えました。

「ゆるして、ゆるしてください。パパママごめんなさい」(結愛ちゃん)

東京に引っ越す前に住んでいた香川県では2度も児童相談所に一時保護され、体にあざがあることもわかっていました。

なぜ、事件は防げなかったのか?
国の専門委員会が検証結果を公表しました。

専門委員会は「香川県の児相のリスク判断は不十分で、東京都の児相への引継ぎも十分ではなかった」としました。そのうえで「児相職員の資質の向上とともに、医師や弁護士などが相に常駐すべきだ」と提言しました。

これは、虐待が疑われ、児相に保護されたある子どもの、歯の写真です。
前歯が何本も黒ずんでいます。

日本歯科大学の都築民幸教授がこの子の歯を調べた結果、より深刻な虐待の実態が明らかになったといいます。

虫歯は、歯のまん中にあることが特徴的でした。

「こういう虫歯のでき方はない。通常は歯と歯の間とか歯と歯茎の境目にあるのが普通。歯の真ん中に虫歯があるのはまれ」(都築民幸教授)

都築教授は、生えてきたばかりの乳歯が虫歯になり、そのまま放置され続けたためと判断しました。つまり、極めて長期にわたって、「ネグレクト」の状態にあったことがわかったのです。

さらに、歯の欠け方も。
「この子は4本欠けていると最初は見ていたが、型をとったら別の歯も欠けていることがわかった。これだけ歯が一度に欠けているのは、下の歯が突き上げたと考えるのが一番説明しやすい」(都築民幸教授)

あごの下から強くなぐられるなど、暴力を受けた疑いが強いこともわかりました。

虐待問題に取り組んでいるNPOの代表は、「虐待の深刻さを見抜くには専門家による分析が不可欠」と指摘します。

「ちゃんと虐待の勉強をして、経験をもっていて色々な活動もしていて、きちんとした専門性を有している人にコンサルテーション(診断)させることが大事。子どものことを最優先に考慮するマインドが、まだなかなか児童相談所に浸透していないのかなというのは感じる」(チャイルドファーストジャパン理事長・山田不二子医師)

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