東名夫婦死亡事故は発生から、5日でちょうど1年を迎えました。亡くなった萩山嘉久さんの親友の男性は、「事故ではなく殺人に等しい」と今も訴え続けています。
東名夫婦死亡事故で亡くなった萩山嘉久さん(当時45)と友香さん(当時39)。発生から1年を迎えた5日、2人の墓を訪れたのは友香さんの両親です。奇跡的に助かった萩山さん夫婦の2人の娘と事故の後、一緒に暮らしています。
「なんとか子どもたちを一人前にするからね、と言った」(亡くなった友香さんの父親)
時間が止まったままになっている小さな事務所。亡くなった萩山嘉久さんは、自動車整備工場を営んでいました。
「あいつ、いつもここに座っていて、ここでいつもカップラーメン食べながらテレビ見てるんですよ、パソコンで」(亡くなった嘉久さんの親友 田中克明さん)
こう話すのは嘉久さんの30年来の親友・田中克明さん(46)です。1年前、萩山さん一家が乗ったワゴン車は、石橋和歩被告の車に執ようなあおり運転を受けました。高速道路上に停車させられた結果、トラックに追突され、嘉久さんと妻の友香さんが死亡。2人の娘だけが助かりました。
発生直後のワゴン車の中から、長女が助けを求める電話をしたのが田中さんでした。
「(長女は)どうしたらいいか分からないようなパニックになっている感じのうわずった声。(石橋被告が)ものすごいスピードで自分たちを抜いて行って、前に入ってきて、お父さんの胸ぐらをつかんで引きずり下ろそうとした。すごい衝撃が走って、お父さんとお母さんが自分の周りにいない」(亡くなった嘉久さんの親友 田中克明さん)
これは、ただの事故ではない。姉妹だけが残された状況では、自分が動かなくては、と、田中さんは警察に真相の解明を訴えました。4か月に及ぶ捜査の末、石橋被告は逮捕され、起訴の段階で危険運転致死傷の罪に切り替わりました。
当時、この知らせを聞いた田中さんは。
「うわー、よかった。これでちょっと俺も(萩山に)報告できるかな。名誉を守れたかなって、萩山は悪くないよって」(亡くなった嘉久さんの親友 田中克明さん・去年10月)
しかし、今後の裁判で、危険運転致死傷罪が認められるかどうかはわからないと話す専門家も少なくありません。条文は、車を走行させる行為で起きた事故に適用すると定めていますが、今回の事故は、車を止めてからおよそ2分後に起きたからです。
しかし、田中さんは、そもそも交通事故として扱うことに疑問を感じると話します。事故ではなく事件。殺人に等しいと考えているからです。
「今でも交通事故じゃないと思っているので。今でも変わらないし、これからも変わらないと思います」(亡くなった嘉久さんの親友 田中克明さん)
田中さんは、今後の裁判を見届けたいと話しています。
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