今週の一筆
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06月11日の放送

半導体はこれからの日本経済成長のコア!この議連を政局でみないで!

自民党 甘利明 税制調査会長・半導体戦略推進議連会長

対談を終えて

 今回のゲストは、自民党税制調査会長で半導体戦略推進議連会長の甘利明さん。なぜ今、半導体戦略が必要なのか伺いたくお呼びしたのだが、議連の最高顧問に麻生・安倍両元首相(安倍政権時代の3A)を迎えたので、一気にこれは二階幹事長に対抗か、と政局話になってしまった。で、まずはその話題から。

 「そうなんですよね。皆さん政局話が好きだし、二階幹事長周辺は政局が得意だから。麻生さんは昔から半導体が重要だと言っていたし、今これをやらねば日本は完全に遅れを取ってしまうので、麻生・安倍という最強コンビを呼んだんだけど、効果が出すぎた! でも二階さんが急遽『自由で開かれたインド太平洋』構想を推進する議員連盟を立ち上げるけど、この構想は中国の一帯一路構想ともろにぶつかる。大丈夫でしょうかね?」

 デジタル社会のまさにコアとなる半導体、一時は日本がシェアの過半数を占め世界第一位。しかし、現在は10%以下。なぜ? 「失敗の原因はよくわかってます。1つはアメリカにやられた。日米半導体協定は全くの不平等条約。もう一つは時代の流れ。1つの商品がいらなくなると売れなくなる、だから市場の上がり下がりがあった。それが今はDXでデジタル産業全部が連動しているから市場は爆発的に増えるんです。それに臨機応変に乗れなかった。それから、ビジネス形態。世界はひとくちに半導体生産と言っても、製造なら製造、開発なら開発に特化した企業にした。でも日本は総合家電会社の一部・副業。だんだん開発力が落ちて行った。この失敗の教訓を活かすべきです」

 半導体戦略は経済安保でもある、とおっしゃっているが? 「以前、ある記者に『経済安全保障とは』と聞かれて、『日本を殺すにゃミサイルはいらぬ。マスクの1つもあれば良い』ということだと言ったんですよ。去年のマスク、医療手袋・ガウンの不足覚えてますか? 日本とは考え方の違う国に100%近く依存していた!無ければ医療崩壊ですよ! それから台湾。コロナ封じ込めにいったん成功しましたが、たった変異種(変異ウイルス)でクラスタ−が発生。でもワクチン調達が遅れている。台湾総統は『中国の横やりで手に入れられなかった』と言っている。これがまさに経済安保です。チョーク・ポイント(弱点)を突いて経済の混乱を招く戦略です。それをさせてはならない。だから今、私のチームは日本の弱点を全部洗い出しています」

 では日本の半導体産業、どう回復する? 「『戦略的自律性』全部自前でやろうとするのではなく友好国と連携して弱点を克服する。『戦略的不可欠性』これが無ければ他国の製品が成り立たないようなものを日本が作る。この2つが重要です。幸い、日本は材料分野で世界の55%シェアを閉めているし、半導体製造装置の分野は35%、上流の部分を2つとも持っている。これをテコにして日本の弱い部分−開発・製造・量産をどうカバ−するか考えるべき。スパコンの『富岳』、大変優れているが、世界中のユーザーがほしいとは言ってこない。どうユーザー仕様にするかも考えて作らねば」

 アメリカ・中国をはじめ、世界各国は何兆円と投資を考えていますね。日本は? 「菅総理が『どのくらい必要?』と聞いたので『兆円単位』と言ったら『ウーン』って。でも総理の追究するデジタルもグリーンも半導体無しではなりたちませんから」

 目下の趣味は古美術品の鑑賞だと言う。「昔は歴史なんて年代や事実を覚えるだけで大嫌いだったけど、今はその背景をわかりやすく解説してくれる本が沢山ありますよね。美術品のやりとりにまつわる話を聞くと、今の外交に通じる戦略なんかがわかって、とても面白いんですよ!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:6月11日(金)23:00/6月12日(土)9:30/6月13日(日)0:30