今週の一筆
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02月19日の放送

対中国、尖閣をしっかり守るとともに人権の面でも追及を!

中谷元 元防衛大臣

対談を終えて

 今回のゲストは元防衛大臣の中谷元さん。今後の中国との関係、安全保障と人権、二つの観点からお話をうかがった。まずはこの2月1日から施行された中国の海警法について。

 「管轄海域」を設定した、とあるが、これは?「普通は領土領海が主権の及ぶ範囲ですが、中国はその周りの排他的経済水域に加え、さらに大陸棚まで全部中国の主権の及ぶ『管轄海域』だ、全部、自分の領土・領海だ!という法律を作ってしまったんです。これは国際法や国際海洋条約とはかけ離れている主張です。おまけに今、尖閣の周りに出没している海警は中央軍事委員会の命令で『管轄海域』の中では防衛作戦−武器使用や外航船舶の臨検・建造物の強制撤去もできるようになりました。中国の夢=2050年もしくは2035年にはアメリカを上回る国力・軍事力・経済力を持てるように着々と実現を図っているんです。」尖閣周辺の海警が軍隊と同じく武器使用ができる、というのは大変なことでは?「そう公船なら警察権だから相手を考えて万が一の時のみ武器使用しますが、軍隊となると相手を倒すまでやっちゃおう!ということになるんです」

 それにしても尖閣の周辺、海警が相次いできて、中には機関砲を積んだ船もいるが?「中国の戦略は世論戦、宣伝戦、法律戦、と3つあって今回その法律戦のために海警法を作った。で、問題はこの法律をどのように運用してくるのか、ということ。南シナ海だって、はじめは控えめにやっていて、各国は避難しただけだったが、10年たったら飛行場ができ、ミサイルが配備された」

 日本は、今は「遺憾だ」と言うだけだが?「今のところ海上保安庁は量的に海警を制御している。そして武力衝突にならないように政府は段階的に考えて対応している。海上保安庁がまず対応、それでダメな場合は自衛隊が出てきて海警行動=あくまで警察権の範囲。それでもダメなら最後に防衛出動・武力行使という順。でも相手もスキマをねらっていろいろ考えてくるかも。一番怖いのは漁船が何百隻もやってくること。日本の近くの大きな海上自衛隊基地は佐世保だから、そこから多数の警察官をヘリで運ぶ?難しい。海上保安庁の長官は『海保でもいざというときには武器の使用は可能だ』と言っている。ま、遅いと思いますが、今、自民党の外交部会と安保部会の合同会議でもこのグレーゾーン対応の議論をやってます」

 いざという時はアメリカが来る?「いや、そうなる前に日本としてきちんと対応できるように策を作っておかなければいけません」

 もう一つ人権問題については?「昨年香港でたくさんの人が逮捕され、さらに遠く離れた北京で作られた『香港国家安全維持法』でさらに多くの人が逮捕され、人権が奪われた。でIPAC(対中政策に関する列国議会連盟)という世界的組織の日本版、JPAC(対中政策に関する国会議員連盟)というのを作りました。香港だけでなく新疆ウイグル自治区での問題やチベット問題などもあります。バイデン大統領は、ウイグル問題は『ジェノサイド』だと言って米は制裁を科しています。日本は実はこのジェノサイド条約には入っていないんです。北朝鮮・中国も含め150か国以上が参加しているのにです。政府に聞いたら『日本にはヒューミントなどの情報収集能力がないから、何がジェノサイドか判断できないんです。』って。でも人権を考えると、日本にもこういった人権条約が必要だと思って、今、超党派で『日本版マグニツキ−法』(人権侵害制裁法案)を作ろうとしています」

 今年の抱負はまずはコロナ対策、そして秋の総裁選ではコロナ禍であらわになった日本のものつくりの劣化の克服、そして国の基本をどう考えるかしっかりと訴えて戦いたいという中谷さん。今、時間があったら何をしたいか聞いたら「マラソン、ラグビ−!とにかく野外でスポーツしたい!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:2月19日(金)23:00/2月20日(土)9:30/2月21日(日)0:30