今週の一筆
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12月20日の放送

選挙・民主主義の仕組み、時限・時間の捉え方等、根本的に違う中での外交交渉は難しい!

松本剛明 衆議院外務委員長

対談を終えて

 今回のゲストは、衆議院外務委員長の松本剛明さん。今国会の最大の目玉「日米貿易協定」はこの外務委員会での審議だったので、まずはその話から。

 「この協定は包括的なFTA交渉ではなく、物品について、まずはここからやっていこうということを、日米双方が合意したもの。農産品は牛・豚肉も含めてTPPの枠内で収まったし、工業品に関しては自動車が圧倒的に大きいから目立つけど、例えば工作機械やその部品なんかは関税がゼロになる。燃料電池・めがね・楽器なども同じ。自動車は、そりゃ関税ゼロになれば理想的だけど、実は、これまで通りの2.5%ならがんばりますと、メーカーは言っている」

 でも「さらに交渉」とあるので、今後はゼロにならないのでは? 「いえ、茂木大臣が強調したように『関税の撤廃の交渉』という文言で『撤廃』という文字が入っている。これが将来的にゼロへの担保になっている。ともあれ、もっと広範囲な議論をしてほしかったなあ。例えば、消費者の立場からすると、安くていいものが輸入されて楽しめる。生産者の視点からすると、大変なところもあるが、競争力のある農業にするための大転換の時期とも言える。ピンチをチャンスに変えることができるように、政策大綱を作ったり補正予算や経済対策で支援をすることになっている」

 日米デジタル貿易協定も同時に成立したが? 「今の時代、これはきちんとしておかねば。ただ今回のは目新しいものではなく、電子商取引のルールを日米間で共同で作り、それをきちんと見せておこうというもの」

 元外務大臣の松本さんの考えでは、やはり日米が基軸? 「もちろん! 国際社会の中で1人でやるよりは、同盟がある方がいい。その場合は米国が一番の選択肢。ま、トランプさん、発言はもう少しオブラートに包んだ方がいいとは思うけど、逆に言えば、非常に正直な人だなあと思う」

 中国は? 「ロシア・北朝鮮もそうだけど選挙の仕組み・民主主義の仕組みが根本的に違う。時限・時間の捉え方も違う。その中での外交交渉の難しさをここ数年感じている」。習近平国家主席の訪日が国賓待遇というのを疑問視する人もいるが? 「いや2008年に胡錦濤主席、1998年に江沢民主席と国賓で来日。2期目の後半くらいか。その慣習をわざわざやめるのか、それとも大人の対応をして、課題解決の方向に持って行くのか、私は後者の方向をとったほうがいいと思う」

 日韓関係は? 「我々(民主党政権)の頃もいろいろありましたよ。ただ、交渉の外交の場では相当激しくやり合っても、対外的にはお互いに自慢せずにやってきた。それが今は激しくやり合う前に、日本に対しても、米国に対しても、外に向かって自慢する。残念ながら今の韓国首脳の対応に関しては打つ手はないなあ」

 北朝鮮に対しては? 「米国とも中国ともしっかり言ってもらわないと。どんどん緊張が高まってきている。ただ、逆に言えば北朝鮮が国際舞台に出てきているのは確か。だから外交交渉で物事を進められるチャンスでもあると思うので、そういうことまで考えて進めていきたいと思っています」

 時間があったら何をしたいか尋ねたら、「歴史の本を読み出したら止まらないんですよ! 近現代史、古新聞、満州事変のことなんか・・・今とあの頃と似ている、と言う人もいますが、違う。太平洋戦争は陸軍の暴走と言うけど、むしろ陸軍は慎重で外務省が出ろと。これは邦人保護の観点だったんですね。あの頃はたくさんの日本人が満州に行っていましたから。今は、日本人は外にそんなにいない。そんなことを読み始めると止まらないんです!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:12月13日(金)23:00/12月14日(土)9:30/12月15日(日)0:30