今週の一筆
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11月15日の放送

北極圏で、黒い氷、溶ける氷塊、氷上でなく土の上のシロクマを見てきました!

自民党 伊藤忠彦 副幹事長

対談を終えて

 今回のゲストは、自民党副幹事長・幹事長特別補佐、そして「北極のフロンティアについて考える議員連盟」事務局長の伊藤忠彦さん。トランプ大統領が北極圏のグリーランドを買いたいと言って話題になったが、伊藤さんは9月に北極圏にあるノルウェーのスバールバル諸島に行ってきたばかりだという。

 「グリーンランドをはじめ北極圏のあちこちを視察してきました。今回は、ニーオルスンという北緯79度の場所にノルウェーが世界中の学者を集めて国際観測村(ノルウェーが管理)を作っているんですが、そこに日本も参加、今度新しい観測施設を作ったので、その開所式に新藤義孝議連副会長と一緒に行ってきました。日本の観測は諸外国に高く評価されているんですよ!」

 北極は気候変動のバロメーターと言われてますよね? 「グリーンランドに行ったときには黒い氷に驚かされました」。黒い氷ですか? 「黒い氷です。大気の流れで、最終的にNOx(ちっ素酸化物)とPM(粒子状物質)が沈んでいったり、気候変動で暖かくなってきて、中の生物学的なものが湧き出してくる。いろんなモノが入って黒くなるんです。それが目の前で溶けている。今回も本来氷の上にいるはずのシロクマ(ホッキョクグマ)が土の上にいるのを見てしまった! 数年前までは氷だった場所です。つい最近も数億トン大きな氷が氷解しました。北極だけでなく、南極も同じです」

 海水の上昇で、沈む国や都市が出てくると聞きました。「そう、即位の礼で日本にいらした太平洋諸国の代表からも『海面上昇で我が国はなくなる!』という切実な訴えを聞きました。それだけではなくて、例えば今年の日本を襲った台風など、雨量が非常に増えている。今夏は世界中で熱暑だったし、フロリダ・テキサス・カリフォルニアやオーストラリアの山火事、皆、気候変動が起こしていると言われています。グリーンランドでも山火事が起こったんですよ!」

 ただ、国連気候変動サミットでのグレタ・トゥーンベリさんの演説にあるように、なかなか世界は動かない? 「確かにそうですが、でもパリ協定は脱退してもアメリカのポンペオ国務長官は『この地球の大きな変化の中で我々が被ることについては、しっかりとプロテクトする』と言っていますし、アメリカの各州は独自で気候変動に対応しています」「過去100年、地球の人口が4倍くらいになっています。同時に人類が生み出した技術が人間の生活を便利にしてきました。ありがたいことだと思いますが、一方、それが地球環境を悪くしたとも言えます。そのバランスをどうとるか、ということを考えなければならないときです。今日は「Climate Youth Japan」の学生さんたちが見学に来ていますが、彼らは、気候変動は自分たちの世代の問題として、インターネットで世界中と意見交換をして、なんとか解決できないかと一生懸命やっているんです」

 でも氷が溶けて喜ぶ人たちもいる? 「そう、たとえば北極海航路。日本から欧州に行くのに今は南回り航路で約2万1000キロ。ところが北極海航路だと約1万3000キロ! 8000キロも短い。当然安くなるし、危険もない。氷の下だった資源もどんどん掘れる。経済にとってはいいことです。でも考えなくてならないことは、気候変動による災害被害リスクです。このバランスをどう取るのかが、これからの課題です」

 安全保障の面も重大になってきましたね? 「誰のものでも無かった南極は国連の管理下で平等に管理され、資源の掘削などはなされていません。でも北極は昔から海を接する米・ロ・ノルウエー・デンマーク等8つの国がお互いに権利を主張しています。そこに氷の融解を見越して、北極は中国が一帯一路の行き着く点だ、氷上のシルクロードだと言いだしていっぺんに緊張しはじめました。今、アメリカはグリーンランドに総領事館を開設しようとしています。でも我々は、地球は平和でなければならないと思っています。何かを取り合うことをしている間に、地球環境はどんどん悪くなっていきます」

 調査・観測用の北極向け砕氷船をつくろうと今、一生懸命だという伊藤さんに、趣味は?と伺ったら「美術館巡り!」と即答。「正倉院展も観たいし、昨日は三井記念美術館に『高麗茶碗展』を観にいったんですよ!」とにっこり。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:11月15日(金)23:00/11月16日(土)9:30/11月17日(日)0:30