今週の一筆
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11月16日の放送

憲法改正、期限ありきではなく国会での議論・国民の理解が大切

公明党 北側一雄 副代表

対談を終えて

 今回のゲストは公明党副代表の北側一雄さん。まず、前回のこの番組で自民党の下村憲法改正推進本部長が「野党が審議に応じないのは職場放棄だ」と発言、その後、謝罪・撤回したことについて聞いた。

 「与党というものは野党の協力を得なくてはいけない。だから当然、野党をあおるような発言をしても何の意味もない。適切な発言とは思えない」

 安倍さんの発言が前のめりなのは、改憲勢力で衆参3分の2を持っているから? 「3分の2といったって、改憲の中身は各党違う。議論を重ね、できるだけ多くの合意形成をした上で国民の理解を得て、国民投票で決まる、という道筋だから、ハードルは高い」

 国民投票の実態調査に海外に行ったそうだが? 「そう、2年前にイタリアとイギリスに。イギリスはEU離脱を国民投票にかけ、大方の予想を裏切って可決。イタリアは二院制問題での憲法改正。議会は大幅な賛成で発議したが、国民投票で否決。ともにこれが原因で政権が倒れた。それでわかったことは、選挙は政党や人を選ぶのだが、国民投票は政策の可否を決めるもの。政策の中身を国民に理解・判断してもらうのはとても難しい、ということ。もう一つは政策判断ではなくて、その問題をリードしてきた政権に対する信任・不信任の話になってしまうこと。その時の調査には自民から共産まで超党派で行ったのだが、異口同音に『国民投票はそんなに簡単にはできない!』。議席数で3分の2、と言ったって、比例区では自民は得票率40%くらいでしょ。過半数には届いていないんですよ。国民投票ってそういうもんですから、ハードルは高い。そう簡単にはできませんよ」

 自民党のたたき台についても聞いた。まずは1丁目1番地という9条の改正について。これは公明党の言う「加憲」だから理解が得やすいと安倍さんは思ったのでは? 「自衛隊違憲論を払拭したいために、9条の1・2項は残して9条の2を付け加える、というのは理解できないわけではないけれど、でもなぜ9条改正を? という必要性のところが、今の説明で十分かというと、これはなかなか難しい」

 平和安全法制ができた現在では、自衛隊がフルスペックの集団的自衛権行使ができるようになるからダメ、との反対論もあるが? 「3年前に平安法をつくったときにさんざん議論をして、武力行使のための3要件を明記した。これは極めて限定的なもの。振り返ってみると、あの時つくっておいて本当に良かったと思う。北朝鮮問題・中国の軍事力強化、安全保障環境が大きく変わっている中で、日米同盟関係の強化が果たされた。デリケートなところまでの情報共有・合同演習等々。今、トランプ政権になって、あの法律がなかったら相当追い込まれていたと思う」

 やはり議論を前に進めた方がいい? 「テレビ討論ではやっているのに、なぜ肝心の国会では議論をしないのか? 私なんかは、野党の皆さん、もっと自信を持たれた方が良いと思う。そんなに簡単に憲法改正なんてできないですよ。3分の2、国民投票の高いハードル。国民の理解が必要。それなりに改正が必要だと思っている人たちだって、皆どこをどう改正するのか、考え方が違うんですから。自公だって違います。例えば緊急事態の対応。国会議員の任期延長は国難の時にこそ議会が必要だと思いますので賛成ですが、緊急政令の方は法整備でしっかりやって行けばいいことで、憲法改正は必要ない、と思っています」

 「とにかく期限ありきの話ではなくて、まずは国会の中でしっかり議論を重ねて、できるだけ多くの同意を形成、そして国民の皆さんに理解を得るように努力をしていく。こういった丁寧な対応が必要だと思っています」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:11月16日(金)23:00/11月17日(土)9:30/11月18日(日)0:30