今週の一筆
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09月02日の放送

今年後半のテーマは、・日ロ ・TPP ・米大統領選

ジャーナリスト・嶌信彦 氏
与良正男 毎日新聞専門編集委員

対談を終えて

 今回は恒例の「今年後半の政治・経済・外交を占う」ということで、ジャーナリストの嶌信彦氏・毎日新聞専門編集委員の与良正男氏のお二人に話を伺った。まずは参院選の話から。

 選挙年齢18歳引下げやSEALDs(シールズ)の活動に深く関わってきた与良さんはこんな評価を。「18歳に引き下げは戦後最大の選挙制度改革。全体の投票率が54%の中で18歳は51%! 高校での授業などの効果が相当あった。19歳はその機会が無かったのでそんなに上がらなかったが。『政治の中立性』などの難しい問題もあるが、もっと続けてほしいし、この授業を大学まで広げてほしい。SEALDs(シールズ)は、これまでデモというのは組織の動員だったのが、スマホを当たり前のように使いこなして自然発生的に人が集まった。これは新しい動き。今の政権が『変えろ!変えろ!』という中で『民主主義を守れ!憲法を守れ!』ということで、保守や革新だ、というこれまでのデモとは違った様相」。嶌さんも「あとはこれがどれだけ継続するかを注目している」と。さらに嶌さんは「それより都知事選。小池さんのうまさ!真っ先に手を上げて、孤立で組織と戦う戦略は見事。しかもすぐに都政改革本部を作るなど、これからも目が離せない!」

 民主党の代表選は? 与良さん「出馬が3人になってよかった。今回の自民大勝も、対抗する相手がいなかったから。安倍さんは右に寄り、逆にこれまでの民主−民進は左に寄りすぎて、中間・穏健・寛容といった部分が、ぽっかり穴が空いている。そこの政党に民進はなれるのか? 別の野党か、それとも自民の中の誰かか? 民進は崖っぷち。だから今回の代表選で大いに議論をしてほしい」。嶌さんも「米大統領選、中東・欧州の混乱、中国の弱体化・北朝鮮の核。世界で軸が無くなっている中で、民進はどんな日本を構築していくのか、しっかり見せてほしい」

 アベノミクスに関しては二人とも評価が厳しい。嶌さんは「アベノミクスは道半ば、というが、やはり事実上失敗していると思う。消費者物価は落ち続けているし、円安になっても輸出は伸びないことがわかってしまったし、最初の効果が次々とはがれ落ちている。マイナス金利なんて理論だけのモノをやっても、景気の『気』の部分に響いてこない」。与良さん「地方創生・一億総活躍・女性活躍はどこへ行ったのか? 今回は働き方改革。配偶者控除も見直し、同一賃金・同一労働など民主党時代のお株を奪って分配に軸足を置いているが、手あたり次第に拡散するだけで、ずっと『道半ば』ではと思ってしまう」

 でも、強い内閣だからこそ実行出来るのでは? と聞くと、嶌さんは「いや、安倍さんは本当に経済に関心があるのか気になっている。外交は一生懸命自分でやっているが、経済は人に丸投げ、という感じ」。与良さんは「これだけ強い内閣なら負担増とか規制改革とか言えるチャンスなのに! 少なくとも物価上昇目標だけはやめてほしい。若者なんて物価上昇なんて知らないんだから」。嶌さん「そうだよね。『何が幸せか』という内容が変わっているんだから」

 その強い内閣だからこそ外交はうまくいっていると二人とも。「プーチンも強い大統領だから、日ロ交渉はうまくいく最後のチャンスだと思う」

 安倍総裁の任期延長話は? 与良さん「少し早すぎ。もう一度総選挙があってからでいいのでは? それにしても自民も対抗馬が出てこない」。嶌さん「政党力がなくなった!」

 今年の後半のテーマは、●日ロ交渉の行方 ●TPP批准 ●米大統領選の3つだというお二人。憲法改正は? と聞いたら、与良さん「優先順位は遠のいたよね。もしかしたら、憲法にさわらない形での天皇退位問題の方が先に来るかも」

 今年後半も道筋の見えない状況が続きそうだ」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:9月2日(金)23:00/9月3日(土)9:30/9月4日(日)0:30