今週の一筆
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01月23日の放送

「お金を持ったら安心」という発想を変えなければ!

ジャーナリスト・嶌信彦 氏
与良正男 毎日新聞専門編集委員

対談を終えて

 今年初めての「国会トーク・フロントライン」のゲストは、ジャーナリストの嶌信彦さんと毎日新聞専門編集委員の与良正男さん。お二人に「今後の日本の政治・経済」を今年も占っていただいた。が、まずは収録直後が返答の期限と言われていた、いわゆる「イスラム国」の人質事件について。

 嶌さんは「これまで日本は欧米とは一線を画していて、仲介役もできると考えていた。しかし、日本は敵であり、これは戦争だと考える国が出てきて、一線を越えたという感じがします。この辺のところを政府も我々も認識して当たらなければ」

 与良さんは「安倍さんの中東訪問のタイミングを狙ったのは間違いない。特にイスラエル訪問。イスラエル寄りと彼らに考えられたかもしれない。今国会は安保法制が出てきます。直接的には関係ないけれど、中東のことを日本も真剣に考えなければ」

 去年暮れの総選挙、これで一応安倍長期政権への基盤ができた。消費税増税を1年半後に延期。これで、景気回復がなるのかどうか?

 嶌さん「景気がいいのは米国と日本のみ。その日本もどうなるか。欧州は日本にならって金融緩和。米国は反対に利上げを考えている。中国やロシアのルーブルも問題。一つの論理で世界が一斉に効くということではなくなり、ごちゃごちゃ。その中で日本はどうするかだ。でも今や、政府が一つやれば全体の成長がよくなる、というものではない。個々にいろいろ考えて、それをやるためにこの規制を取っ払ってくれ、というやり方に変わってきている」

 与良さん「地方創生も政府に具体的策があるのではなくて、なんでもいいから持って来い!というやりかた。しずくが落ちるのを待っているのではなく、地方にとってチャンス!ととらえなければ」

 一方、格差拡大の問題もあるが、と聞いたら「今、ピケティ現象にみられるように世界的な問題。しかし具体策は?となると、民主党も、それが出せなくて選挙で負けた」と与良さん。嶌さんは「若い人たちは結婚したくても子どもを育てる環境にない」

 与良さん「そう、地方はその環境があって出生率が高くても、その子達は都会に出て行ってしまう」
 嶌さん「世界中がしっちゃかめっちゃか。大局から見るのも大事だが、自分がどういう風にしたら一番幸せなのか、個人を基にして考えた方がいい。『お金をもったら安心だ』というのとは違った発想に変えるというのが大事だと思う」

 与良さん「むしろ私の接している20代・30代の方がそういう考え持っている人多い」
 嶌さん「若いベンチャーでも自分が社会に役立っているかどうかを気にする人多くなった。そういう人たちを応援する規制緩和をすることが大事じゃないかと思う」

 戦後70年の問題。与良さんは「談話を出すことが逆効果になってはいけない。中国・韓国はもとより米国にも安倍さんは歴史修正主義者だと思う人たちがいる。未来志向はいいけれど、過去をきちんと反省しなければ」

 嶌さんも「前回のオリンピックの時にはインフラを作っただけではなく、実は一流ホテルを作りサービスにも苦心、清潔な国をとゴミ収集を始めたなど、ソフトもずいぶんいいものを作った。今回も五輪で日本はこんな国になりましたといえるようにするのが大切で、その前提が70年談話。戦後70年たってもまだ決着できないのは、やはりおかしい」

 安定の一年、とはなりそうもない、でお二人は一致した。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:1月23日(金)23:00/1月24日(土)9:30/1月25日(日)0:30