今週の一筆
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08月01日の放送

親の収入が学力・学歴に正比例する国でいいのか?

下村博文 文部科学大臣

対談を終えて

 今回のゲストは文科大臣の下村博文さん。「9歳で突然父を亡くし 新聞配達少年から 文科大臣に」という長いタイトルの本を出されたので、今日はその話を伺った。

 「はじめは別のタイトルだったんですけど、出版社がそれじゃ売れませんよ!とこの題に。おかげさまでアマゾンで政治家本第一位になりましたよ。でもタイトル通りで、9歳で突然交通事故で父を亡くし、母子家庭に。兄弟3人で生卵一つを分け合う生活でした。交通遺児育英会などの奨学金で大学まで行けました。ただ残念なことに、当時より今の方が格差社会が広がっている。子どもの貧困率は16.3%!一人親家庭だと50%以上です。そして経済格差が教育格差を生んでいる。大学進学率は51%ですよ。米や韓国は70%超えています。奨学金で?私の時と違って今はほとんど有利子。どんな家庭でも、どんなにハンディキャップがあっても夢と志があればチャンスを獲得できる国でなければ、未来はありません。そして、そのツ−ルが教育だと思うんです。だから、安倍総理にわがままを言って、いわれた大臣ではなく、文科大臣に就けてもらいました。昔からの盟友ですから」

 文科大臣になってすぐ重点課題リストを作ったとのこと。

 「今財務省に要求しているのは幼児教育の無償化。米で学者が40年間にわたって貧困家庭と3〜5歳の3年間の幼児教育との関係を調査した結果があるんですが、それによると、幼児教育プログラムに参加した子どもの29%は月収2千ドル以上になるけれど参加しなかった人はそうなるのはわずか7%、持ち家率も36%と13%、生活保護を受けなくてすんでいるのは41%対20%。幼児教育を受けたか受けなかったかで、こんなに差ができるんですね。だから無償化というのは未来に対する投資。教育は広い意味での一種の社会保障だと思うんです」

 高校の無償化も所得制限を入れ、低位所得者にまわす法案を成立させたし、返さなくてもいい給付つき奨学金も作ったとのこと。小中一貫教育・大学入試改革・グロ−バル化等々、やるべきリストは増え続け、今は46項目の改革工程表が上がっているという。

 「持続的な成長のためには教育しかないと思っています。少子高齢化の中では一人あたりの生産性を高めていくしかない。その能力開発のバックアップをするのが教育です。だからずっと『教育立国』と言い続けているんです。親の収入が子どもの学力・学歴に正比例する。これが健全な社会でしょうか?一部のお金持ちの子どもたちしかチャンスがない、それ以外は這い上がれない、それでいいんでしょうか?だからその意味でこの本を書いたんで!財務省はすぐ、財源がない、といいますけど、たとえば消費税を教育目的税にするとか、豪州のように所得連動控除型奨学金とかいろいろ方策は考えられると思います。ただ、消費税を上げるには国民の意識改革も必要。今、教育に投資しておけば、将来への備えになりますよ。教育費が無償になれば子どもも安心して産めますし・・・」

 夏休みに涼しいところで家族と過ごすつもりだという下村さん。「ゴルフもしたいし、いただいた本も溜まってるし・・・。司馬遼太郎の本が好きなんですけど、どうしても教育や政治関係の本になってしまいますね」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:8月1日(金)23:00/8月2日(土)9:30/8月3日(日)0:30