今週の一筆
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06月13日の放送

再犯者を無くすのが“世界一治安のいい日本”への近道

自民党 田中和徳 衆議院議員

対談を終えて

 今回のゲストは元環境・財務副大臣の田中和徳さん。長年保護司を務められ、今は自民党の刑務所出所者等就労支援強化特命委員長。先月、支援強化に関する緊急提言を出されたので、今なぜ提言を?とまず尋ねた。

 「東京五輪の時に世界一犯罪の少ない国を成し遂げて世界に示したいんですよ。日本は一般刑法犯の数は多くはないし、近年減っているんですが、特徴的なのは再犯者率が多く、しかも増えているということ! 今や45.3%ですから。そして再犯者は全犯罪の6割を引き起こしている。だから、ここを防げば日本の犯罪は劇的に減るんです。再犯者が多い原因ですか? 出所しても仕事がない、住むところがない、というのにつきます。再犯者の7割が無職です」

 でも刑務所の中や更生施設で職業訓練をしているのでは? と聞いたら「それが限定的な職種だけなんです。受刑者の希望や社会のニ−ズを考えないと、社会に出ても何の役にも立ちません。職安所員が刑務所に行って連携をするくらい考えなくては。それに、更生保護施設だって、全国で104か所しかない。しかも民間会社がやっているので増やせない。訓練を受けたい人が待っているので、平均77日しか訓練を受けられないんですよ。だから国の支援が必要なんです」

 今、トライアル雇用制度(出所者を雇うと最長3か月間、月に4万円謝礼金が支払われる)や職場定着協力者謝金があるのだが、機能していないという。「こんな短期間で雇用主と雇用者との間で技術を教えたり、信頼関係が生まれたりするんでしょうか。だから、思い切って6か月間8万円を支払い、なおかつそれ以上雇いたい場合はさらに3か月毎に12万円を2回支払うことにすれば、出所者にとって1年間という社会復帰の期間ができる。それが4000人対象でも30億円でできるんですよ。社会復帰ができて再犯者を出さなければ、捜査費用や刑務所経費を考えると逆に80億円も得になる。この人出不足の中、社会で活躍する人が増えるし、税金だって払ってもらえるようになるんです。安倍首相や麻生財務相など政治家はいい考えですね、と言ってくれたけど、財務省の壁は厚い!ただ谷垣法相は民間だけでなく国や地方公共団体で率先して雇うという考えに賛成してくれて、早速数人ですが実行してくれました」

 興味深い指摘をもう一つしてくれた。「99%が高校入学、その96%が卒業するんですが、残りの3%の中退者やそれ以下の学歴の人たちが刑務所に入る人の6割を占めている。高校は義務教育でないから問題を起こすとすぐ“退学しろ”となり、家庭に問題がある場合も多いから、犯罪につながりやすい。ここを学校・職安・役所が一体となってケアすれば、初犯の数がぐっと減る。でも要は社会が、刑務所で罪を償った人は普通の人、という認識をもって接してくれるのが一番大事。だから世間の方にもっともっと実情を知ってもらいたいと思っています」

 時間があるときは健康のために自宅の周りを歩くという田中さん。「川崎の産業道路の側の工業地帯ですが、ずいぶんきれいになりました。公園もあるし、街並みを見て歩くのも楽しいですね!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:6月13日(金)23:00/6月14日(土)9:30/6月15日(日)0:30