今週の一筆
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01月31日の放送

今年の政治・経済を占う

ジャーナリスト・嶌信彦 氏、与良正男 毎日新聞論説委員

対談を終えて

 今年初め今回は、恒例の「今年の政治・経済を占う」。
 おなじみのジャーナリストの嶌信彦さんと毎日新聞論説委員の与良正男さんにお話しを伺った。

 まずは安倍政権1年の振り返りから。
 与良さんは「安倍さん自身、予想以上とおもっているのでは。高い支持率がこれだけ続くことは、近年なかった。ひとえに株価連動の経済政策の堅調だったこと。国民の関心は特定秘密保護法案より景気!」

 嶌さんも「円安・株高のおかげ。若干危惧してもこの景気をつぶしてはダメ、という思いが働き批判もでなかった」

 しかし昨今の円高・株安を見ると、そうもいかないようだ。

(嶌)「退任直前のFRB・バーナンキ議長の『低金利・金融緩和策の見直し』発言で米が縮小政策に入る、という見方が広がり、あっという間に世界株安になった。これが長引くと大変」

(与良)「施政方針演説でも大半は経済好循環にむけて、やればできる!という話。確かに安倍政権はバラマキでなく優先順位をつけた経済政策。しかしそれは地域より大都市、中小企業より大企業に優先的。それが何時、全体に広がるのか。これまでは“期待”。今後は“実際”を試される」

 自民党は企業活動のためにも原発再開を考えているが、と聞いたら、与良さんは「都知事選は原発とは関係ない、という人もいるが、エネルギー基本法策定時期を延期したように国政に影響が出る。これで与党が圧勝したら、再稼働に向けて着々と進むのでは」

 嶌さんは「エネルギー政策は経済政策に密接に関係する。それが今は再稼働待ち、ということで思考停止をしている。今こそ再生エネルギーの規制緩和を考えるべきでは」

 今年大きな問題になりそうな集団的自衛権の解釈改憲問題。

(与良)「時期は別にして、安倍さんはこれをやるだろうとみんな思っている。政治的に何時出せばいいか待っているだけ。だからこそ早くテーブルの上に出して議論をすべき」

(嶌)「この話は国民の上を素通りしている。野党がきちんと追及して、国民に判らせるべきなのに」(与良)「野党の中がばらばら。民主党だって海江田さんは代表質問で『反対だ』と言い切れなかった。自民党の中でのブレ−キ役もいない。1〜2年生でももっと突出している議員も多い。長老の意見も聞かないし…」

 お二人とも外交関係には危惧の念を持つという。

(与良)「一番のポイントは米との関係が必ずしも良好でない、ということ。オバマ政権も内向きで外交にほとんど関心ないし。靖国参拝・ダボス発言はマイナスを加速させた」

(嶌)「米の世界グリップが弱くなり、中国のグリップが強くなって、アジアにおける日中関係が変わってきている。その中で、日本経済が良くなってきたから、注目され、安倍発言が関心を持たれているが、経済ではなく、安倍政権は人権・弱者・国家主義的匂いが強い、という警戒感を持たれてしまった」

(与良)「ダボス会議で真っ先にされた質問が『日中の武力行使の可能性は?』だった。伝統的な保守は反米になってくる。これまでは、押し付け憲法、敗戦とか東京裁判の不当性だとかいう考え方をごまかしながら、知恵を使って外交をやってきた。しかし、今は本当に反米なのでは、という疑いをアメリカも持ち始めているのでは。日本は欧米各国が本当に日本の対応を懸念しているということをきちんと感じた方がいい!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:1月31日(金)23:00/2月1日(土)9:30/2月2日(日)0:30