今週の一筆
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08月30日の放送

この秋が安倍政権の正念場

ジャ−ナリスト 嶌信彦 氏、毎日新聞専門編集委員 松田喬和 氏

対談を終えて

 参院選挙でネジレは解消、期待先行の安倍政権にとっていよいよ実行の時、ということで、今回はジャーナリストの嶌信彦さん、毎日新聞専門編集委員の松田喬和さんに、安倍政権の今後、日本の今後について話し合っていただいた。まずは景気について。

 「高い支持率を支えているのは、経済対策への期待。でもこれも右肩下がり。派閥はなくなったが、参院選で自民を支えた業界団体・族議員が息を吹き返し、TPP、消費税に圧力をかけている。これを安倍さんがどれくらい大局観を持ってコントロールできるかだ」と松田さん。

 嶌さんは「第三の矢の成長戦略がどのくらい実行できるか。環境、インフラ、宇宙、医療・・日本が強いモノは沢山ある。農業だってそう。自動車、家電もこれまで規制をはずすことで競争力が強くなってきた。TPPだって日本が参加したことによってぐっとしまってきた。民間が発想し、政府がそれを後押ししなければダメ」

 消費税についてはお二方とも「上げるべき」との意見。「景気は多少冷え込むだろうが、成長率は今後もせいぜい2〜3%で、それ以上になりっこない。今上げないと、上げる時がなくなってしまう。借金だって1兆円あるんだし」と嶌さん。松田さんは、自民は消費税に対してトラウマがあると解説。

 「消費税を導入した竹下さんは、ひきかえに退陣。3%から5%に上げた橋本さんは、参院選で敗北し、これも退陣。今回、増税を決めた野田さんも退陣している。ただ否応無しの少子高齢化の中で上げない選択はない。1%ずつ? 『飲んでくれ』と下請けは言われて悲鳴を上げるのはみえみえ! 上げなかったら秋の臨時国会では『なぜ止めた』という声が出てくる」

 歴史認識問題はとても重大だと、二人とも指摘する。「自民党政権時代は党内で保守とリベラルとで疑似政権交代をやってきた。でも今、そのリベラルがいない。民主党もつぶれたし・・安倍さんは第一次の時真っ先に中国に行き『戦略的互恵関係』を作った反面、『靖国に行かなかったのは痛恨の極み』。そのバランスをとる努力が必要。怖いのは保守=親米だったのが、独立民族主義という感じの人が増えている」と松田さん。

 嶌さんは「護憲、ということではなくて安全、安心、戦争をしない、ということで憲法をもう一度考えよう、というのを中心として一つの勢力を作ったらどうか」

 W選挙も勝って1党多弱時代に。「長期政権必至、と言われているが」と聞くと、嶌さんは「外交・安全保障など、得意分野で自信をもってやっているようだが、国際社会の見方を軽視すると、高転びする危険がある」

 松田さんは「長期政権といわれるとかえってダメなケ−ス多い。田中角栄がいい例。佐藤栄作、中曽根、小泉、いずれも短期政権といわれたが長期政権に。日米関係、隣国の中国・韓国との関係。ここをじっくり考えてやって欲しい」

 最近は古い映画にはまっているという嶌さん。50本も一度にDVDを買って、時間があると観ているそうだ。

 「『キューリー夫人』なんて昔観たなあ、と思いながら観てますよ。今度は西部劇を買うつもり!」松田さんのほうは「趣味は寅さん! 入社のときに寅さんシリーズが始まったんですよ。柴又方面も担当しましたから、ロケに行って山田監督や寅さんと仲良くなってね。倍賞千恵子さんも加えたサインがボクのお宝!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:8月30日(金)23:00/8月31日(土)9:30/9月1日(日)0:30