今週の一筆
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03月22日の放送

安保関係の法律 今こそ整備すべき時

森本敏 前防衛大臣

対談を終えて

 今回のゲストは前防衛大臣の森本敏さん。まず、全人代が終わって習近平体制が決まった中国について聞いてみた。

 「当初考えていた以上に強力な体制になりましたね。しかし一方では、世界が抱える問題−経済格差、エネルギー問題、環境問題等々、全部抱えている。国民に不満を持たせないためには常に右肩上がりの経済成長を続けなければなりませんから、戦争をする余裕はありませんよ。海洋監視局の設置ですか? これは組織としてはあたりまえ。これまで5つに分かれていたのを統一することで、指揮命令系統がひとつになった。中国としてもやり易いし、我が方としても対話がしやすくなりますよね」

 中国が海洋国家を目指すことで周辺諸国との軋轢がエスカレートするのでは? という問いには、「中国は恣意的に海洋法を運用して自国の意見を主張する。尖閣国有化後、私が防衛大臣として指示したのは、▽必要以上に挑発するな▽必要以上に挑発させるな▽中国に「日本に挑発された」と言わせるな、という三原則。中国にそう言わせたら、事態は全部日本の責任になり、アメリカを始め各国の支持を失ってしまう。隊員に我慢させることが防衛大臣の責任だった。でも尖閣と南シナ海での中国の対応の違いは、やはり在日米軍がいるから」

 尖閣有事を想定した日米共同作戦が今、森本大臣(当時)の発案で行われようとしているが、森本さんはこれが表に出たことには不満があるとのこと。「表で『やってる、やってる』というのはどうかと思いますよ。いくつかのシナリオのもとに、その対応策を考えるというのは国家の基本ですからやるべきですが、ただ、ああいう政治的な形はどうも。アメリカが中国へのメッセージとして明らかにしたんでしょうが・・・」

 しかし、アメリカも中東・アフリカとの二正面作戦をするほどの余裕もないし、経済・政治的安定の為にも中国と事を荒立てようとは思っていない、と言う。だから今、紛争にならない部分は日本がやり、共同でやる部分は役割・機能分担をどうするか、日米防衛協定の見直しを進めているとのこと。

 「▽日本の足らない部分をアメリカが補う▽その後兵器体系の見直し・地域分担の見直しなどのガイドラインの変更があって、それから国内法の整備と進むんです。その基礎を今、作っているんですが、それにしても縦割り法制過ぎる! 尖閣問題だって警察活動から治安活動まで、いざ対応しようとなると大きな隙間がある。シームレスになってなきゃ、いざというときの対応はできません。小手先、継ぎはぎの各法の改正ではなく、領海警備法、安保基本法等、包括法を一日も早く作らなくては。今やらなければ事態に追いつけませんよ!」

 趣味はふたつあるとのこと。「命が少なくなってきましたから、自伝を少しずつ書いています。もう一つは、これまで行った場所を再訪したい。この間、モスクワに行って来ましたけど、行くたびに良くなってくるんですよね。カナダのビクトリアとかバンフ。何億年もたっている氷河の上を歩けるんですよ。針葉樹に囲まれた湖も素晴らしいし!」。寒いところばかりじゃないですか、と突っ込んだら「いやー、そうですね、でも、いいとこですよ!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:3月22日(金)23:00/3月23日(土)9:30/3月24日(日)0:30