今週の一筆
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02月15日の放送

原発と政治のリアリズム

民主党 馬淵澄夫 衆議院議員

対談を終えて

 今回のゲストは先月「原発と政治のリアリズム」を出された民主党幹事長代理の馬淵澄夫さん。原発事故発災後2週間近くたった2011年3月25日から6月27日までの3か月間、首相補佐官として福島原発事故の収束にあたったのだが、2年たってもまだ収束もされず、原因も特定されない状況をみて改めてこの本を書こうと思ったと言う。

 「暴露本ではないんですよ。あの時の状況は、原子炉建屋には東電しか近づけず、情報をうのみにせざるをえなかった。そして、政治の中でのマネジメント能力の欠如が問題をより大きくしてしまった。そういった、現場での経験の中から得た考えを皆さんに伝えたかったんですよ」

 馬淵さんが補佐官に任命されたのは、「冷却が続けられており、メルトダウンの心配はほとんどない」と会見では発表されていたものの、実は、極秘の最悪のシナリオいわゆる「近藤ノート」が提出された時だったとのこと。すぐにチーム馬淵を作り上げ、統合本部に入って原発対応にあたったが、まもなく遅遅として進まないこの「最悪のシナリオ」のための対策もとってくれ、と言われたのだそうだ。

 「つまり原子炉が全部爆発した時の対応ですよね。『スラリー計画』というのを極秘に作りましたよ。作業は大変でした。なるべく現場近くにと、東電と政府の統合対策本部を作ったはいいけれど、一つには任意団体だから政府には命令権限がない。官邸での発表も『一義的には東電の責任』と言っているわけですから責任の所在が明らかでない。だから私が行ってから議事録はもちろん、決定事項はいちいち紙に起こして責任の所在を明らかにしましたよ。それでやっと組織が動いた。もうひとつは、政府は放射能を封じ込めたい、東電はチェルノブイリのような石棺にはしたくない。原発のシンボルのようなところですから。その方向性の食い違いが最後まで影響しましたよね。莫大な費用がかかるというので山側の遮水壁もできなかったし・・・。3か月でプチ内閣改造があり、押し出されるような形で補佐官を辞めました。代わりに経産副大臣をやってくれと言われましたけど、『安全宣言』や『冷温停止状態』などという新語を造ってまで原発推進をやめようとしない経産省にはとても行けませんでした。原発問題はまだ何も解決していない。私はバックエンド問題をまた追求していきますよ」

 振り返ってみると、真の意味での政治主導ができなかったことが大きいと言う。「『戦略が組織を作る』というのがマネジメントの鉄則なんですが、日本型・アジア型の世界では『戦略が組織に従う』になってしまう。風土・文化を承知した上で組織・法制度、マネジメントのやり方を作っていかないと。これは民主党の敗北原因にも言えること。今、事務総長として党の改革創生案を作っていますが、まずは政権運営の検証と総選挙の検証をきちっとしなければ。その一つはあきらかにこのマネジメント能力の欠如。そしてその分析の上に立って、短期の参院選、長期の(3年後くらいだと思うが)総選挙に向けてしっかり具体的提言をするつもりです。2月24日の党大会には第一次の案を出しますよ」

 時間があったらやりたいことは? と尋ねたら、「有権者とじっくり話をしたい。今、地方を回っているけれど1か所、1〜2時間。そうじゃなくて、一晩飲み明かすとかして皆さんの考えていることをじっくり聞きたいですよね・・・。一度は政権を取った党への期待感を取り戻すためにも・・・」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:2月15日(金)23:00/2月16日(土)9:30/2月17日(日)0:30