今週の一筆
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12月21日の放送

自民は「よりまし」での消去法圧勝

岩渕美克 日本大学法学部教授

対談を終えて

 自民圧勝、民主惨敗、自公で3分の2超に終わった総選挙。今回は日本大学法学部の岩渕教授にその総括をお願いした。

 まず自民圧勝の理由。「自民は得票数に見られるように、必ずしも全面的に支持されたわけではない。政権交代で健全野党になるべきところが、55年体制の時と同じように足を引っ張るだけの野党に終わった。しかし、民主が、自民と同様に一年ごとに顔を変えたり、分裂などのゴタゴタがあったり。失敗の政策などで、失速した。かといって、第三極ももうひとつ頼りない。で、消去法でやむを得ず、よりましな自民しか残らなかった。それに小選挙区制の特質で、一人だけを選ぶ制度だから、小党が乱立すると30%でも当選できる。で、自民に有利になった」

 第三極は?「維新は太陽と合併したことがマイナスに。国会議員の数が欲しかったのだろうが、保守と一緒になったことで維新八策があいまいなものに。特に東日本で票を減らした。みんなの党は維新との合併を拒否したことで『ぶれない』と受け取られ、議席数がアップ。未来はバタバタ。小沢さんをもってしても時間がなかった。裁判も抱えていたし。でも第三極全部だとかなりの数。二大政党に収斂するプロセスがまだ当分かかるということか」「今回、乱立で落選するケ−スが多かったので、維新とみんなが参院選では手を組もうとしているが、実際上は旧太陽をどうするかで、なかなか大変」

 政策論争は?「12党もあるので、争点を原発・外交・社会保障・金融などにメデイアは整理したが、逆に組み合わせが難しなった。反原発で未来、社民、共産が連立を組めるか、というと、無理なのは自明。この国の形をどうするか、といった政党の理念が出てこないから皆が混乱し、投票率も低くなったところがある」

 制度の問題は?「この結果をみて中選挙区制に戻せ、という声もあるが、完全な制度はない。ただ、今のように衆参、どちらも同じような選挙制度ではダメ。同時に改正して。英米のように貴族院や地方代表の院とそのほかの一人一票の代表の院、というようにしなければ。それから、重複で第3位が当選し、第2位が落選、というのも有権者から見れば釈然としない」

 ネット選挙は?「在外邦人の投票をみてもネットで情報を流す必要がある。土日も忙しい人は職場の候補者の情報の方が耳に残る。なりすまし等々問題はあるにしても、今の公職選挙法は実情に全くあっていない。これは解禁にすべき」

 以上、非常にわかりやすい分析をしていただいた。さて、この選挙の結果、安倍政権が誕生するわけだが「実際は圧勝ではない。だから、この民意をよく推し量っての政治を期待したい」と岩渕先生と意見が一致した。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:12月21日(金)23:00/12月22日(土)9:30/12月23日(日)0:30