今週の一筆
【画像】
【画像】

08月10日の放送

原発事故−あらゆる記録をつきあわせて今後の対応に!

民主党 福山哲郎 参議院議員

対談を終えて

 今回のゲストは3.11当時、官房副長官として危機管理にあたった福山哲郎さん。その合間に書きとめた「福山ノート」をもとに、官邸から見た原発危機対応の状況を記した「原発危機−官邸からの証言」をこのほど出版された。出版がこの時期になったのは政府・国会・民間・東電の事故調査発表を待っていたためで、これらの調査結果でも全面的には明らかにされなかった当時の官邸の状況を、今後の危機管理のためにも知ってもらいたかった、とのこと。

 「官邸に対する批判は重々承知していますが、実は官邸にすべての情報が入ってくるわけではない。その目の前にあるファクトに基づいてのみ、限られた人材、法的権限の中で、意思決定をしなければいけない。それが官邸です。私たちは素人ですから、その度に保安院や原子力委員会や東電に質問をしまくる。しかし、ほんとうに頼りない返事が多く、後からきくと伝えられなかったことも沢山あった。情報を上げろとどれだけ言ったか。しかも現場との間に東電本社が入って、そこで情報がストップしている。ベントの実施遅れ、海水注水中断問題、撤退問題、計画停電、皆これが原因。東電本社に行った時、現場からのモニターがずらっと並んでいるのをみて、何故これが官邸で見られなかったんだと思いましたよ。だから東電本社に事故対策統合本部を作って細野さんがいくことになったんですよ。日米協力も与えられる情報が少なかったため、はじめは米側が疑心暗鬼になってしまった。それも日米連絡調整会議を作った以降はうまく回っていったし、情報の共有が必要ということで縦割り行政もなくなった」

 「政治介入の問題も問われているが?」と聞いたら、「こういう危機の時にはやはり政治がリ−ドしなければできないことが沢山ある。菅首相が視察にいったからこそ、危機感を持って自衛隊の増員等の対応ができたし、撤退問題でもこのままでは東日本全体がダメになると言う思いで東電本社に行って演説をし、統合本部を東電においた。ただ一方では科学的判断がきちっとなされなければ、間違った方向に行ってしまう。どこまで政治が介入するのか難しいところです。それにしても、原発の安全神話でいかにリスク管理を怠っていたかを身にしみて感じましたね」

 「脱原発ロードマップを考える会」幹事長の福山さん、遅くとも2025年度までに脱原発をはかるべき、と力説する。
 「そのためには再生エネルギーシステムをどれだけ早く作れるかですが、太陽光、風力、地熱、飛躍的に技術革新が進んでいます。福島では風力発電の下で農産物が作られているし、洋上風力発電だって有望です。これは成長産業にもなるんです。経済界は画に描いた餅、といいますけど、核燃料サイクルだって画に描いた餅!こちらの方がよほどひどいですよ!ただし、国の援助や発送電分離などの方策が必要ですよね」でも今の政治状況では? と水をさしたら、「そうなんです。昨日今日の有様を見ていると…でも日本のためにこれはやらなくては!」

 この本を書くために国会・政府等の事故調の報告書を読む毎日だったが、本が大好き、とあってヒマがあると、同時並行で何冊も本を読んでいると言う。「目下のお気に入りは、そうだなあ、伊坂幸太郎とか百田尚樹かなあ」

【画像】

川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:8月10日(金)23:00/8月11日(土)9:30/8月12日(日)0:30