今週の一筆
【画像】

04月19日の放送

グローバルな世界の新秩序作りを、大阪G20で!

自民党 大野敬太郎 外交部会長代理

対談を終えて

 今回のゲストは、自民党外交部会長代理の大野敬太郎さん。世界経済の減速が予測される中、中国だけではなくトランプ大統領のアメリカ、ブレグジット(英国のEU離脱問題)に揺れる欧州など、経済だけでなく政治・安全保障の秩序・ルールの再構築が必要だという。

 「去年暮れに中国・深センに行ってきました。BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)といわれるデジタル巨大企業の本拠地です。もちろんその発展・成長も目の当たりにしてきましたが、面白かったのは倫理観の問題。実は今、中国では孔子だとか孟子だとか古典を読むのがはやっているんだそうです。14億人をまとめるために倫理観をもう一度勉強しようということだそうです。キャッシュレス化もすごい。現金なんか受け付けてくれず、日本とは逆に中央銀行が銀行口座を開けない人のために現金を使えるようにしろ、という『おふれ』を出すくらいです。ただ、キャッシュレス化も裏側では、これで個人の消費動向を全部把握してプロファイリングしてしまうわけですから、もう、個人の信用格付けにまで使われてしまっている。ゲームばかりやっている人は労働意欲が薄いとか、借金を返さない人はダメとか、どんどん個人を管理する社会になってきている。ま、そのおかげで、マクロで見れば、悪い人が行いを改め国民に倫理観が広がったという皮肉な結果にもなっていますが。でも、今、世界経済を引っ張っているデジタル経済はこういう強権的なやりかたとは親和性があるんですねえ」

 でもそんな違ったルールの中国とどう付き合う? 「今のアメリカは自国第一主義、ドイツ・フランスは国内混乱、英国はEU離脱問題。だからこそG20の議長国である日本がどうリーダーシップをとって新秩序を作れるかが大事なんです。そうでないと、経済だけでなく安全保障の分野まで中国が世界のルールメーカーになりかねませんから」

 欧米社会の混乱は格差問題だと「エレファント・カーブ」というのを教えてくれた。「世界の先進国・新興国の過去20年間の所得分布をみると、新興国中間層と先進国富裕層は80%も上がっている。一方、新興国の低所得者層の賃金は低いのだが少なくとも上がっているのに、先進国中間層の賃金はそんなに低くはないのだが全く上がっていないことがわかります。希望が持てないから格差感が強くなる。トランプ大統領を産んだ原因の一つがラストベルトの格差だし、ブレグジットもまさにそう。何でギリシャや東欧のために多額の拠出金を出さなきゃいけないんだ? 何で移民に職を奪われなければならないんだ? 何でEU全体のルールに従わなければいけないんだ? ということです。与党にも突き上げられてキャメロン首相(当時)は国民投票に踏み切って、この結果です」

 この混乱、収まる? 「●残る(離脱撤回)●条件付きで出る(秩序ある離脱)●何でもいいから出る(合意なき離脱)、この3つの立場をそれぞれ譲らないんですから、10月まで決着が延びましたけど、どんな案を出しても否決されるでしょうね」

 日本への影響は? 「直接貿易取引が約2%だから影響は少ないと言われますが、私はそうは思いません。合意なき離脱をすればポンドが大下落、EU・英国の経済は物価の高騰等、大混乱です。英国は金融国家ですから、世界経済減速のトリガーになりかねません。10月の日本の消費増税の前に混乱が起きれば、『リーマンショック級』と言う理由で増税できなくなるかも。いまや経済はグローバルですから、貿易額等、ミクロだけ見ていてもダメなんです」

 趣味は? と聞いたら「楽器。ピアノでも何でも、独学でそこそこは弾けるけど、でも上手くなりたい! Gi!nz(ギインズ)というバンドをやっている林芳正議員に、どう? と誘われたけど、とてもとても! 林先生は突き抜けている!」

【画像】

川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:4月19日(金)23:00/4月20日(土)9:30/4月21日(日)0:30