今週の一筆
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06月14日の放送

日本の農地の4割は中山間地。その活用が日本を元気にする!

自民党 宮下一郎 政調会長代理

対談を終えて

 今回のゲストは自民党・政調会長代理の宮下一郎さん。ここ3年くらい実現に努力してきた「棚田地域振興法」がこのほど成立したので、まずはその話から。

 「地元・飯田市にも『よこね田んぼ』と言う棚田がありますが、棚田は農産物を供給するだけでなく、日本の文化・歴史・国土や水源の涵養の機能があります。何より地域の魅力! ところが平成11年に『棚田百選』が選ばれたものの、現在その3分の1が担い手の減少などで荒れている。これをどうにかできないか、ということでこの法律を超党派・全会一致で作ったんです」

 どんな法律? 「まず、棚田は貴重な国民的財産だと法律に書きました。その上で国が基本方針を作り、県や市町村が方策を作るという立て付けです。ただし重要なのは、棚田周辺の農業者・地元・関係団体・NPO、さらには遠くからの支援者も含めて棚田振興協議会を作り、さらに各省庁のアドバイザーも含めてその地域にあったプランを作る、ということです。そして、そのプランをノンストップで県を通じて国にあげて予算化する。実は棚田振興に使えるような予算は総務省・農水省・国交省・環境省はもちろん、文化庁・観光庁など全部で42事業もあるんです。組み合わせればたくさんの予算が付くのに、これまではバラバラに申請しなくてはならなかった。それを今回はまとめて申請できるようにしたんです」

 農水省の女性職員が早速「棚田女子プロジェクト」を作ったり、「ダムカード」の向こうを張って「棚田カード」を作ったり、棚田振興のアイデアをこれからも皆で考えたいという宮下さんだが、棚田振興は中山間地振興の一部だという。

 「食料自給率と食料自給力の違いってわかりますか? 自給率は食料消費が国産でどのくらいまかなえているか。結果として輸入小麦で作られたパンや輸入飼料で飼われた豚や牛を食べれば、輸入品を食べたというカウントになるので、自給率は当然下がります。一方、自給力は、農水産物が持っている潜在生産能力を示すもの。だから農地をフル活用すれば自給力は上がる。ところが現実は中山間地などで、高齢化や人口減少などで耕作放棄地が増えている。もったいない! で、『自民党中山間地農業を元気にする委員会』の初代委員長として『中山間地農業ルネッサンス事業』を平成29年度につくり、今や今年度予算は440億円です」

 でも、農政改革というと高齢化・人口減少に対応するには大規模化・省力化を、とよく言いますが? 「もちろんそれも大切です。できるところならば。でも実は中山間地は日本の農地の4割、生産額も4割。これも大事にしないと。ITやAIもどんどん利用しています。例えば、中山間地で困っている鳥獣被害。対策としてセンサーが付いたくくり罠を何個か置いておく。遠隔地でも罠にかかっているかどうかわかるようになりますので、見回らなくてよいようになります。もうひとつ、こんな例もあります。去年、海外に日本産米を供給して現地レストランに届ける事業をやっている人が、ぜひ無農薬米をほしい、高く売れるからと言ってきた。そうして見つけたのが、地元・伊那市長谷の10年以上の休耕田。農薬がすっかり抜けているんです。農水省の『グローバル・ファーマーズ・プロジェクト(GFP)』の第一号に選ばれましたよ。中山間地が世界を視野に入れた輸出基地になったわけです!」

 でも人口減少や高齢化をどう食い止める? 「人口減少は日本の最大の問題。中山間地農業では本当に切実な問題です。農業者単独ではもう無理。やはりチームプレイが必要。でも移住者を望んでもそう簡単ではない。で、こんなアイディアをいただきました。『第二住民票制度』です。田植えや稲刈りの手伝いをしたりしてしょっちゅう行く、“第二のふるさと”みたいなところに第二の住民票登録をして、両方に納税を分割したり、行政サービスを両方で受けられるようにする。そのうちに本格的に移住したいという人も出てくるかもしれません。とにかく農業が元気でないと日本の元気もなくなると思います。地方の方が面白いという時代が来ると思いますよ!」

 趣味は3歳から始めた手品だという宮下さん。「最近は大きな舞台でも披露するんですよ! 不思議でないことを不思議に見せるのが手品。それで皆さんに楽しんでいただけるというのは最高ですね!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:6月14(金)23:00/6月15(土)9:30/6月16日(日)0:30