すぐ出来る!“やって楽しい”防災の知恵

2019年10月30日 [ 監修:あんどうりす ]
水害後の作業で注意すべきこと

2019年秋の台風による記録的大雨の影響で、関東甲信から東北にかけての広い範囲で河川の氾濫が相次ぎ、多くの建物が浸水被害を受けました。大量の水が流れ込んだ被災地では、カビや細菌が発生しやすくなるなど衛生環境が悪化し、感染症が流行する危険性が高くなります。被災された方やボランティアに入る人は作業する際、感染症への注意が必要です。

危険な細菌がいっぱい

水害の後は、泥や瓦礫が混ざってかき回され、さまざまな菌が表面に出てきます。水の飛沫(ひまつ)や土埃となって吸い込むだけで感染したり、傷口から感染することもあります。中には重症化しやすく、命に関わるものも。


破傷風 レジオネラ症 レプトスピラ症

土の中に存在する破傷風菌が傷口から体内に入り発症する病気。3~21日で発症。 レジオネラ菌が含まれる水しぶきを吸い込むことによりうつる。2~14日で発症。 土や水に菌が混入し、露出した皮膚に接触して生じる病気。3~14日で発症。

口が開きにくくなり食べることが難しくなる。全身の筋肉の硬直・けいれんなどの症状が出る。最悪の場合、死亡することも。 発熱、頭痛や肺炎のような症状がおこる。肺炎症状を起こした場合には、悪化して死亡することも。 頭痛、発熱、筋肉痛、吐き気、下痢の症状。重症化すると臓器機能がおかされ、死亡することも。


危険なのは細菌だけではありません。家庭や工場、医療機関などから有害廃棄物(農薬、殺虫剤、工業廃棄物など)が流れ出すこともあります。2019年秋の台風19号では、川の氾濫でメッキ工場の青酸ソーダが流出しました。また、過去には、土石流現場で農薬の入った瓶が土砂に埋まり行政が立ち入りを禁止したケース、消毒に使われた消石灰による眼病や気管支炎にかかったケースもありました。

しっかりとした装備で作業を!
作業をする際は、感染症やけがを防ぐために
  1. 皮膚の露出面を少なくする
  2. ゴム手袋や長ぐつを着用する
  3. 虫よけスプレーを使う

十分な装備で作業することで、周りに心配・迷惑をかけないことにも繋がる!


万が一
  • 水害の水に触れた場合には、できるだけ早く石鹸やきれいな水で洗う

  • けがをした場合には、速やかな応急処置と必要に応じて医師の診察を受ける

水害後、子どもに片付けをさせないで!

地域の子ども達が率先して水害の後片付けをする様子は美談として捉えられがちですが、アメリカの小児科学会は10代未満の子どもに対して「水害の後片付けに子ども達を関らせるべきではない」との声明を出しています。

それは…

  • 水害後の汚水や汚泥は、健康に悪影響を及ぼす可能性が高い
  • 子どもは大人よりも影響を受けやすく、感染症や将来の発達への悪影響が懸念される
からです。

水害は水が引いた後も危険が多いので、子ども達を守る為にも安易に清掃活動・後片付けには参加させないようにしてください!

大人に近い子どもたちは、細菌や消毒剤について生物や化学の学習をした後、「アレルギーがあるから参加しない」というように選択の自由がある上で検討し、実施するなら大人と同じ装備をさせましょう。


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