「5500万人の接種前倒しを」岸田首相 一般向けの3回目接種 間隔6か月に短縮を明言【news23インタビュー】
13日 23時24分
岸田総理は13日、「news23」の単独インタビューで、新型コロナウイルスワクチンの一般向けの3回目接種について、3月以降、接種の間隔をできる限り「6か月」に短縮すると明言しました。急拡大する「第六波」へ、政府としてどう対応するのか。小川彩佳キャスターが岸田総理の本音に迫りました。

以下、インタビューの全文です。

■ワクチン接種の間隔は3月以降「できるだけ6か月に」

ーーまず、ワクチン接種について、一般の方への前倒しについてですが、その前倒しの期間や対象については具体的にどのようにお考えですか?

ワクチンの前倒し、これは、経口薬や検査体制あるいは病床の完備とともに、大変重要な、この対策の柱となります。いろいろ専門家の皆さんの話を聞く中でまずはリスクの高い高齢者の方々中心に、3100万人の方に前倒しを行う。これは1月2月が山場になりますが、3月以降5500万人の一般の方々の前倒しを進めていきたいと思っています。なんといってもワクチンの絶対量を確保する、これが大切でありますが、現物確保の兼ね合いもしっかりと考えながら、いま言った形で高齢者の方々から進めて3100万人そして5500万人こういった方々の接種の前倒しをしっかり進めていきたいと思います。

ーー2回目接種からの間隔ですが、現在一般の方は8か月です。これを短縮していくということでしょうか。

そうですね。高齢者の方についてはもう既に明らかにさせていただいていますが、2か月前倒し、1か月前倒し、間隔を6か月の方、7か月の方、こうしたことを組み合わせて前倒しを行っていますが、モデルナ社のワクチン1800万人分を追加で確保することができました。これも活用していま申し上げた高齢者の方々の前倒しもできるだけ6か月にするべく努力をし、そして一般の方々も7か月を考えていますが、できるだけ6か月に短縮できるように、その追加分さらには、“いま市中に900万人分の未使用のワクチンがまだ存在する”と言われておりますので、自治体にそれも活用していただいて、できるだけ多くの方々に間隔6か月で打っていただけるようにいま努力をしていこう、こういった取り組みを自治体の皆さんにも協力をいただきながら、進めていきたいと思っています。

■ワクチン確保量が増えれば「より前倒しに」

ーー短縮についてこれだけ具体的になってきたというのはワクチンの確保のめどが立ったということですか?

もちろんいま言ってるのは、現在確保できる、ある程度の目処のもとに進めている、こういったことであります。ですから確保の量がより増えてくればより前倒しに進めていきたいなとは思っています。

ーー菅政権では一時的にワクチン不足に陥って、新規の受付停止もありました。そういったことも起きないことになっている?

そうですね。もちろん現実は自治体の皆さん中心に大変なご苦労をいただくわけですので、現実やってみていろんなことも想定しておかなければいけないとは思いますが、いままでの経験のもとにできるだけスムーズに接種を進めていただけるように、国としても環境整備はしっかりしていかなければならないと思っています。そのためにも、医師会ですとかあるいは自治体の皆さんとの意思疎通が大事だということで、色々といま調整をさせてもらっているということです。

■前倒しを求め続けた現場の声 総理はどう受け止めた?

ーー「前倒しの判断をもっと早くしてほしかった」という現場の声もありますが、これについては?

そうですね、前倒しについては、ワクチンの効果という意味で、オミクロン株へどれだけ効果があるんだろうか、こういった議論もオミクロン株が世界で存在が認められて大きな議論になったのは2021年11月の終わり近くだったと思います。そういった中で効果の方も考えながら、そして何よりも現物をどれだけ確保するのか、こういった努力を続けながらのことでしたし、それから日本においてはその間隔、8か月を基本としていましたが、その中で一応申請は6か月以上ということになっておりましたので、その範囲内で接種を始める、その期間がきた方から始めるということですので、いっぺんに大量に接種するということもなかなか難しい部分もありました。年末年始もありました。こういったことはありましたが、ぜひこれから市中感染これだけ広がっている中ですので、国民の皆さんの不安を解消するために全力で取り組もうということで、いま自治体の皆さんにもご協力をお願いしながら体制を整備し接種を加速化させている、こういった状況です。

ーーいまが判断のギリギリのタイミングだったと?

そうですね。日本において、様々な条件の中で努力をしてきました。十分ではないという指摘はしっかり受けながらも、いま申し上げたような体制を実際に動かすべく全力で取り組んでいきたいと思っています。

■“切り札”飲み薬「どれだけ現場に行き届くか、時間との戦い」

ーーまさに感染が急拡大している最中ですけれども、総理が切り札とされてきた飲み薬について、現場からは「足りない、届いていない」という声もあります。これについてはどう受け止めますか?

まず全国の医療機関にこの飲み薬を扱っていただくために申請をしていただき、そして現物を届けていくこういった取り組みを進めていますが、実際に現場においては、経口治療薬、すぐ手に入らないこういった不安もあるということは承知しています。できるだけ情報を明らかにして、どれだけの量がどこにあるのか、こういったものは、少なくとも関係者の中で共有することによって、必要とされる方には迅速にアクセスできる、こういった体制をつくっていかなければならないと思います。いまメルク社の経口治療薬について、それぞれの現場にお届けさせていただいていますが、ファイザー社の治療薬200万人分についても、これから申請承認の手続きを経たうえで2月できるだけ早いうちに実用化するべく努力をし、そうした少なくともその数における不安を解消するべく努力をしたいと思います。

ーー実際必要な方に迅速に届くような体制ができるというのは、いつごろになりそうですか?

もちろん、いまの予定した体制を稼働させれば、よりスムーズになっていくと思います。

ーー稼動はいつになりますか?

これはいま進めている最中ですし、これを進めることが行き届くことに繋がりますので、いまの努力をより徹底させる、これが大事だと思います。ぜひ、いまの実態もしっかり把握することによってどこがそのペースを上げる上でのポイントになるのか、これもしっかり政府としても把握した上で努力は続けたいと思っています。

ーーすぐに使えるようになるのが目前に見えているというふうに認識してもよろしいでしょうか?

もちろんです。実際現場にその現物はどんどんと届き始めていますので、これをまずしっかり充実させることが大事だと思います。メルク社が160万人分、ファイザー200万人分。これがどれだけ地方にそして現場に行き届くか、これはもう時間との戦いということだと思っています。

■濃厚接触者の待機期間「どこまで縮めるか、早く明らかにしたい」

ーーそして、いま多くの方が関心を寄せているのが濃厚接触者の待機期間だと思います。14日からさらに短縮を検討するということを示唆されましたけれども、例えば10日にするとか、具体的な日数についてはいまどのようにお考えでしょうか?

まず、このオミクロン株まだまだわからない部分がありますので、対応としてはこれからも柔軟な対応をしっかり用意しなきゃいけないとは思っています。その中で専門家の方々からこの感染が急激に広がった場合に医療や看護の関係者を中心に現場が動かなくなってしまう、こういったことについてもしっかり考えておかなければならない、ということで、この社会を動かすためにご指摘があった濃厚接触者のありようについても考えていかなければならないという問題意識を持って取り組んでいるわけですが、実際オミクロン株の潜伏期間の長さとか、これを科学的にしっかりと確認した上でこの14日間をどれだけ短縮できるのか。社会が回らないからといって何の根拠も無しに縮めてしまっては逆に不安を広げてしまいますので、あくまでも科学的な根拠。だんだんいろんな知見が集まってきていますので、それに基づいて14日間の期間をどこまで縮めるのか、いま至急確認をしているところですので、できるだけ早くこれは明らかにしたいと思っています。

ーー感染者の入退院の基準の緩和、これについても同様でしょうか?

そうですね。これもあくまで科学的な知見に基づいてどうあるべきなのか。オミクロン株の特性をしっかり考えた上で、いままでのデルタ株等との違いもしっかり確認した上で、入退院の基準も見直すべきものは見直していく。こうしたことは考えています。ひとつひとつ科学的な知見の集約の具合を見ながら判断をしていきたいと思っています。

ーー先進各国、例えばアメリカでも10日から5日など既に科学的な知見をもとに動き始めていますけども。

アメリカの場合、5日にしてみたものの科学的な知見との関係でどうだったんだろうかといって逆に混乱も生じているやにも聞いておりますので、日本においてはあくまでも科学的な知見に基づいてやっぱり期間を決めていかないと。社会が回らないからといって安易に短くしてしまうと混乱を招いてしまう。こういったことではないかと思います。決して時間をかけるつもりはありませんが、近いうちにいま言った濃厚接触者の待機期間の問題等、判断をしたいと思っています。

■コロナ“5類”「いま判断するのは適切ではない」

ーーそして続いてなんですけれども、このまさにオミクロン株の特性を踏まえた中で、一部の専門家だったりですとか知事の皆さんの中ではやはり感染症法の2類から5類への引き下げを考えるべきではという指摘も上がっていますけれども、これについては現在のところをどのように受け止めていらっしゃいますか?

いま感染が拡大、急拡大している段階ですので、この分類について、いま判断するのは適切ではないのではないかと思いますが、ただその分類の問題については私も専門家の方々といろいろ意見交換をしたことがあるんですが、その際に専門家の方々からこの新型コロナというのは普通の感染症と比べて変異の度合いが大変激しい。こういった特色があるからして分類を変更して、そしてそれで固定化してしまうとですね、その後の変異に対応できなくなる可能性もあるからして、その分類の問題については新型コロナの特色をしっかり踏まえた上で考えていくことは大事なのではないか。ちょっと他の感染症とは少し区別して、その特別な分類のあり方も考えてはどうだろうか、こんな話も聞いたことがあります。その辺も考えながら今後よく専門家の皆さんと議論をし、判断をしたいと思っています。

ーー検討はされているということですか?

そうですね。もちろんもう前々からこういった議論はあったと思います。だから私も専門家の皆さんといろいろ意見交換をしたのですが、いまはちょっとその議論を出すのはいかがかとは思いますが、将来、この感染症との闘いということを考えた場合に分類のあり方ということも大事な議論のポイントにはなるんだと思います。

ーー分類のあり方ということですと、例えば単純に2類から5類へ引き下げるということでなくて例えば5類の新たな分類を作るとか、そうしたことも念頭に考えていくということですか?

そうですね。いやあくまでも議論で、私が行った議論の中身で申し上げるならば、例えば2類から5類にこの分類を変えました。そうすると変異が生じた場合にまた戻すってのはなかなか、いまのままだと大変だったりして。ですから新型コロナのそういった変異を起こしやすいという特色を考えた場合に、別のその分類を作って機動的に対応できるような仕組みを考えたらどうか、という専門家の方々もおられました。なるほどな、と思って聞いておりました。そういった議論もあるということであります。

ーーそういった議論も総理の頭のなかではあると。

そうですね。前々から分類の議論はありましたので、色々とその中でいろんな専門家の方々の意見も聞いてきたということであります。

ーーただ、いま先ほども申し上げたように感染が大変な速度で拡大している。1000人を超えてからわずか8日で、全国の新たな感染者が1万人を超えるという、本当に急ピッチの拡大の中で、やはり2類のままでは医療のひっ迫ですとか、保健所の負担の膨張というのを起こしてしまう。そういう懸念も?

ですから、おっしゃるようにそういった最悪の事態への備えはしっかりしておかなければいけないということで、まずは現状の法律の中で、あるいは現在使える制度の中で最大限この対応を考えてきたということです。まずは水際対策。G7の中でも最も厳しい水際対策をしくことによってできるだけ時間を稼いでオミクロン株の実態が把握される、科学的な知見が集約されるその時間をできるだけ稼いで、その間に病床・ベッドの数あるいは医療人材の確保に努め、3回目のワクチン接種もスタートさせ、そして検査体制も全国に広げて、そして経口治療薬の導入実用化も図ってきた。その時間を稼いでいる間にそういった準備をしてきたわけです。ですから、それらをこれからいかに稼働させるか、実際それを動かしていかなければいけないわけですから、それを年末にも各自治体に「自己点検をしてくれ」と。本当に準備したものが動くかどうか自己点検してくれ、というお願いをしてありますので、その自己点検のもとに、いま言った用意したものをしっかりと動かしていく。これが第一だと思っています。それをやった上で感染症の分類の話、これも引き続き議論はしていきたいと思っています。

■米軍からの“感染染み出し”に不安の声 日米地位協定の改定は?

ーー先ほど水際対策の強化ということでおっしゃっていましたけど、いくら水際対策を厳しくしても今回アメリカ軍関係者から感染が広がってきた、日本の管理下に置けない範囲で広がってきたというそうした経緯があります。総理は日米合同委員会での声明での発表もあって行動制限というところに話が至ったわけですけども、入国するアメリカ軍関係者の検疫を日本側でできるようになるというところにはまだ至っていないですよね。やはり日米地位協定の改定というところに踏み込んでいくということが、日本側での検疫を可能にしていくためには必要になってくると思うんですけれども。

日米地位協定の話、地位協定のありようについては、まず国際的に見て日本のありようというのは決して甘いものではないと思っています。国によってはですね、米国関係者の入国についてそういった制限がない国もあるわけですから、日本の場合は少なくとも日本に入ってきて空港等から入ってきた場合には日本がその検疫を行う。ただ基地に直接入った場合は米側が管理をするという体制になっている。これは決して国際的に見ておかしな制度ではないということは申し上げた上で、いまこの目の前の感染の拡大を考えると、この地位協定そのものを変えるというのはですね、地位協定というのは膨大な法体系ですので、これを変えるというのはこれはなかなか大変なことですし、いままでいろんな事件や事態が生じて地位協定の議論がありましたけれど、あのときも本体を変えるんではなくして、必要であれば補足協定みたいな形で対応したというようなこともありました。今回の場合はやはり現実、感染が広がっているわけですから、何よりも目の前の感染に有効な対応を具体的に米側に求めなければいけない。こういったことで、何よりも外出制限、これをやってくれということを外相電話会談ですとか“2プラス2”において行って。まずは外出制限を実行してもらったということです。そしてその上で、日米地位協定に基づく日米の合同委員会という仕掛けがありますが、そこで全体のこの衛生や保健のありようについて議論をしてもらう。これを私の方から指示を出したということです。ぜひまずは、この国民の不安に応えるために具体的な対応を米側にやってもらった上で今後の議論はしていきたいと思います。ということで結論として日米地位協定そのものを変えるということは、特段考えておりません。

ーーそれでは根本が変わらないとなると、また日米合同委員会での合意というのを繰り返していくだけでは、また同じことを繰り返すことにはならないか?

それは必要なものをそこで合意するわけですから、国民の不安解消に繋がるということであるならばそれは大事なことではないかと思っています。

■急拡大の“第六波”「最悪の事態は想定し、やるべきことをやる」

ーー先ほどから挙げていただいたような数々の施策をもってすれば感染が急拡大している最中ですけれども第六波を抑えこむことができるというお考え、自信はおありですか?

これはですね世界の状況、オミクロン株の実態を考えた場合に、これから感染者の数は増えていくことは十分想定しておかなければいけない。最悪の事態はしっかり想定した上でやるべきことをやるということだと思います。オミクロン株の特徴をしっかり捉えた上で、具体的な対応をしっかり考えていきできるだけ波を小さく抑える。こういった努力をするのが政治の役割だと思っています。先ほどから申し上げている様々な施策、これ、どれかひとつやればすべて解決するものではなくして、ワクチンであったり、経口治療薬であったり、検査であったり、病床数であったり、医療人材の確保であったり、それを全体組み合わせることによって国民の皆さんの安心に繋げるべくしっかり努力をしていかなければならないと思います。その組み合わせですとか、ひとつひとつのやり方について、ぜひ専門家の皆さんの意見も聞きながら現実的な対応をしていきたいと思っています。

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