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シリア情勢でNATOに亀裂、翻弄されるクルド

 今月3日からイギリスでNATO=北大西洋条約機構の首脳会議が行われます。「最も成功した軍事同盟」とも言われるNATOですが、シリア情勢をめぐっては亀裂が深まっています。加盟国の思惑に翻弄される人々を取材しました。須賀川拓記者の報告です。

 イラク北部、バラダラシュ。一面に、難民たちが暮らすテントが立ち並んでいます。この日も、隣国シリアから逃れてきたクルド人たちが新たに到着していました。

 シリアのクルド人勢力は、アメリカをはじめとするNATO諸国の支援を受け、過激派組織「イスラム国」掃討作戦の前面に立ってきました。

 ところが、NATOの中核、アメリカのトランプ大統領がシリアに駐留する部隊の撤収を表明。その直後の今年10月、同じくNATO加盟国ながら、クルド人を敵視するトルコがシリア北部のクルド人地域に軍事作戦を開始したのです。

 家を追われたクルド人は30万人とも言われ、このキャンプにはそのうち1万4000人あまりが収容されています。

 「トランプ氏の発表には、ショックを受けました。(クルド人は)友達だと思っていた人たちにいつも裏切られてきたのです。娘の学校のすぐ近くで爆弾が落ちて、もう限界。避難しようと思いました」(シリアからの避難民・ナジャさん)

 ナジャさん一家は、シリア北東部カミシュリから逃げてきました。娘のソリーンさん(15)。ほとんどの物を家に置いてきましたが、手放したくなかったものがひとつありました。クルドの伝統楽器「タンブール」です。

 「タンブールにすがるしかない。音楽が好きで歌うのも好きなんです。音楽は心を落ち着かせてくれます」(ソリーンさん)

 父親は「家を守る」と言って、シリアに残りました。

 「お父さんは私の歌を聴くのが好きだったと思う。とてもうれしそうだったから」(ソリーンさん)

 シリアから脱出して、爆弾におびえる日々は終わりました。しかし・・・。

 「もう少しすれば雨と雪が降る。その前に家を見つけたい」(ソリーンさんの親戚)

 キャンプの中で、難民たちに声をかけて歩く日本人女性がいました。難民を支援する国際協力NGO「ピースウィンズ・ジャパン」の西渕あきこさん。冬を前に長期戦を覚悟しています。

 「テントの数は2600くらいです(Q.2600のテントの土台を拡大させて?)(2600のテントの)全て土台を拡大してテントを張る。冬なので雨が多いので、上にカバーをする。これで1セットですね」(「ピースウィンズ・ジャパン」西渕あきこさん)

 トルコの軍事行動については、3日からのNATO首脳会議でも話し合われるとみられますが、トルコと他の加盟国の立場の隔たりは大きいままです。

 NATOが解決策を見つけられない中、翻弄されるクルド難民・・・。厳しい冬は目前に迫っています。

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更新日時:12月07日 12時02分

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